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3Dプリント ケーススタディ

『UltiMaker掲載記事のご紹介』

弊社が総代理店として扱っているUltiMakerが取り上げられた記事についてご紹介致します。

今回Wevolverという技術者向けコミュニティーサイトに弊社取り扱いのUltiMakerが取り上げられました。

UltiMakerを通じた製造における設計の迅速化、生産性の向上、より多くの個別課題を解決していくかが掲載されています。

業界は製造、輸送、包装、教育で積層造形がどのような影響を与えているかに焦点を当てております。

下記、掲載内容です。

  • 3D プリンターの活用や利点
  • リードタイムの​​短縮
  • アジャイル生産
  • カスタマイズ、デザインの自由度
  • リスク回避の分散型製造など
  • 工具や治具、最終製品などどのような用途で使用されているか

是非、日々のものづくりを進めていく際の参考にしてみてください。

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3D スキャナー 3Dプリント ケーススタディ

UltiMaker導入で学びの空間をより創造的に慶應義塾大学様

1990年に開設された湘南藤沢キャンパス(SFC)、その中心に建つ湘南藤沢メディアセンターは、”「見つける・考える・生みだす」を支援する” をコンセプトに、問題発見・問題解決型キャンパスの特性を反映した領域横断的な図書館サービスを提供しています。2013年にはものづくりのための工房「ファブスペース」を設け、国内大学図書館で初の3Dプリンターの設置を実現。革新的な設備を活用して、学生の学習と研究を支えています。

2023年、当社は、湘南藤沢メディアセンター様に対し、最新の3Dプリンティングシステム「UltiMaker S7」を納入。この新たな取り組みは、湘南藤沢メディアセンターが、デジタル・ファブリケーションの最前線を走り続けるための一歩であり、当社が提供した「UltiMaker S7」は、その中核を担います。既に同センターでは「UltiMaker S5」が活用されており、クリエイティブな環境の構築に寄与している経緯からも、今回新たに追加された「UltiMaker S7」には、より精密で効率的な3Dプリンティングを実現し、さらなる革新を起こすことが期待されています。

そこで今回当社は、湘南藤沢メディアセンター 主務 マルチメディアサービス担当の田中様を取材し、「UltiMaker S7」が、メディアセンターにおける学生の活動やプロジェクトにどのような影響を及ぼすか、具体的な活用事例などについてお話を伺いました。

さて早速ですが、こちらの施設(以下 メディアセンター)の概要や設立の目的について簡単にご説明いただけますか?

メディアセンターは、大学の図書館にあたる施設ですが、図書館機能だけに留まらず、一眼カメラやビデオカメラ、音源録音が出来るAV機器等を借りる事ができます。また、デジタルデータをベースにものづくりができる空間としてファブスペースが用意されています。

そこには初心者向けの機材を設置しており、3Dプリンター、3Dスキャナ、レーザーカッター、刺繍ミシン、ペーパーカッター、UVプリンターなどの機材を、学生が無料で利用することができるようになっています。また、3Dプリンターに関してはオンラインで出力申請することも可能です。


今回取材に応じていただいた 湘南藤沢メディアセンター主務の田中真紀様
メディアセンターに導入されたUltiMaker S7(手前)とUltiMaker S5(奥)
という事は、湘南藤沢キャンパスに在学中の学生であれば、ファブスペースにある3Dプリンター等の機材を自由に利用出来るということですか?

はい、利用可能です。
ファブスペースの機材は、授業や研究会でも利用されますが、サークル活動や趣味でも利用可能です。興味を持った時に自由に機材を利用してもらえるのが一番良いと思っています。しかしながら、授業やイベント利用で機材を優先利用させる場合もあります。また、SFCの立地の関係上、授業のある平日に他のキャンパスの学生は来ることが困難なため、授業が無い日や土曜日、夏休み・春休みの期間に利用しに来る学生もいます。

2016年にはMakerBotイノベーションセンターとして運用が開始されたそうですが、同センターとしての役割は、現状どのようになっているでしょうか?

私が着任したのは2018年6月なので、導入の経緯や運用開始時には残念ながら立ち会っていませんが、3Dプリントのオンライン甲請を簡単に受付・出力・管理する事が出来るイノベーションセンターはとても便利でした。ファブスペースの機材は現地に来て機材を操作する必要はありますが、3Dプリントはデータ生成やスライス処理がきちんとできていれば、出来上がるのを待つだけですからね。カフェや自宅でモデリングしたデータを送るだけで完成品が受け取れるのは、授業や課題をこなす学生にとって非常に有益だと思いました。 目に見える人館者数やファフスペースの滞在者数は減りますが、3Dプリンターを有効活用してくれているのを感じ取る事ができました。

2020年に導入された「UltiMaker S5」
2020年には「UltiMaker S5」を導入されたと伺っていますが、どういった理由からUltiMaker社製の3Dプリンターを選択されたのでしょうか?

メディアセンターは、初のイノベーションセンターとしてMakerBot社製3Dプリンターを長らく活用して来ましたが、潜在的には2つの課題が浮かび上がっていました。
ひとつは、3Dプリンターがだんだんと古くなり、新しくリプレイス検討が必要なこと。もうひとつは、利用する学生がより高度な設計にも対応できる要素が必要になっていたことです。そこで、教員からのアドバイスもあり、2020年に「UltiMaker S5」を2台増設し、課題の解決を図りました。


いざ導入してみると、デュアルコアの水溶性サポートを利用することで、非常に満足のいく作品が出来るので、学生からも好評でした。

今回新たに導入された「UltiMaker S7」を選択された理由は、やはり「UltiMaker S5」使用してきた流れからでしょうか?

先程の話の続きになるのですが、本格的に入替えを検討し始めたときに、最新作の「UltiMaker S7」を見に行くことにしたんです。非常に洗練された最新の機能を見ることができて、新しいファブスペースのイメージが沸いたので、「UltiMaker S7」を複数台購入する事にしました。

まず、安価で高速出力が可能なPLA専用のプリンターを数台導入することで、試作の頻度や精度を上げる事や大量にパーツ作成の対応が可能になると考えていました。その上で、完成品にはより精度の高いものが求められるため、高性能な機能を担保出来る「UltiMaker S7」を複数台導入しました。「UltiMaker S7」を利用することで品質が向上し、より多くの学生が広い用途で利用してもらえる環境づくりに繋がると思っています。

実際に使ってみて「UltiMaker S7」の使い勝手はいかがですか?

以前導入した「UltiMaker S5」は、ビルドプレートにのりを塗ったり、ブリントパーツを取り外す際に工具を用いたりするので、1台ごとに必要なキットをそれぞれ準備していました。使用後のプレートをきれいに洗浄して、次の学生への引継ぎ環境になるという流れです。しかし、フレキシブルブレートを搭載した「UltiMaker S7」になると、工具もほぼ必要なくなり、運営面においてはこれまで以上にスピーディで簡素な運用が可能になりました。

UltiMakerの製品は様々な素材をしっかりと使いこなすことができており、学生からの評判も非常に高いです。

メディアセンターの今後の拡張計画など、お応えいただける範囲で構いませんので教えていただけますか?

やはり、マテリアルステーションを組合せたUltiMakerのプロバンドル仕様に強く興味を持っています。現在では、図書館という運用面を考え、日を跨ぐような長時間プリントを行うのは難しいのですが、材料の自動供給機能と除湿機能を備えたプロバンドルは魅力的ですね。これが揃えば途中で材料切れの心配もなく、UltiMakerの安全性の上で長時間のプリント運用が可能になります。次のステップではこの実現に力を注ぎたいと考えています。湘南藤沢メディアセンターは、見つける・考える・生み出すという創造的な流れを学生たちに提供し、その一環として「UltiMaker S7」の最新3Dプリンティングシステムの導入を果たしました。その機能の豊かさ、効率性、精密さにより、キャンパスの問題解決型の特性をさらに推進し、学生たちの学習と研究を後押ししています。そして今回、湘南藤沢キャンパスに通う 髙原知顕(環境情報学部 3年生)さんからメディアセンターでの活用状況や、UltiMakerの使い勝手についてお話を伺うことができました。

自らプリントしたサンプルを手に語る環境情報学部3年 髙原知顕(タカハラトモアキ)氏
メディアセンターを利用する学生は特定の学部に在籍する学生のみでしょうか?また、実際に3Dプリンターを利用することでご自身の学びに変化はありましたか?

3Dプリンターはデザインや建築を学ぶような学生の利用が比較的多い印象ですが、ここの学生は分野を横断して学んでいるため、様々な用途で利用しにきます。僕自身の経験としては、自分で考えた3Dモデルを実際に出力し、実際に触ってみることで初めてわかることがあり、そういった点で非常に学びの役に立っています。また、具現化することで他人とアイデアを共有しやすくなるため、コミュニケーションによって、更にクリエイティブな挑戦を推し進めてくれます。

実際の利用方法について伺いますが、学生の皆さんは、どのような手続きを経て3Dプリンターを利用されていますか?また、使用する材料の種類や消費量などに縛りはありますか?

まず、3Dプリンターを利用する際は、受付で空いているプリンターを確認し、空いている機種があればそれを利用します。 材料については、基本的にPLA(人気の色は、白、黒、グレーなどのベーシックカラー)を使用しています。UltiMakerの場合、常時サポート材料(PVA)が本体にセットされているので、サポート材を利用した精度の高いプリントが可能です。材料の消費量については特に制限はないので、学生達は気にせず自由に利用できています。

3Dプリンターの利用には時間制限があると聞きましたが、それについて教えてください。

はい、一人当たり一日5時間以内という制限があります。学生たちは、それに対応するため、制限時間内で造形できるように3Dデータの作り方を工夫しています。例えば、大きな造形物の場合はソフトウェア上でデータを分割し、各パーツが時間内でプリントできるように調整しています。

では、3Dデータを作る際、学生の皆さんはどのようなソフトウェアを使用していますか?

ソフトウェアは、AutodeskのFusion360やBlenderが中心ですね。各ソフトウェアの操作を学べる授業は無いので、学生同士で知識を共有しながら学んでいるのですが、知識やアイデアを共有し、CADソフトウェアを使いこなせるようになることで、デザインの改善や時間制限内での出力を可能にするアプローチを見つけることができます。

実際に3Dプリンターを使う上で感じたことや、学生たちが遭遇する一般的な問題は何ですか?

それぞれのプロジェクトによりますが、しばしば時間制限の中で自分のデザインを完全に出力するためにどのように効率的に造形するかが問題になることがあります。また、時間を最大限に活用するためには、自分のプロジェクトについてしっかりと計画を立て、3Dモデリングのスキルを向上させることが大切だと感じています。そして何よりも、創造性を信じて自分自身のアイデアを試すことが大切だと思っています。3Dプリンターは、僕たちが学んでいる理論的な知識を、具体的な物理的形状に変換できるようにしてくれます。また、デザインのアイデアを具現化することで、それが実際の世界でどのように機能するのかを理解するのに役立っています。

最後に、ファブスペースを利用する他の学生に対して何かメッセージはありますか?

間違いを恐れず、自分自身のアイデアを追求し続けることが大事だと思っています。そして、必ずしも完璧な結果を求めるのではなく、学びと経験を最大限に活用することを心がけることが最も重要だと思います。失敗から学び、成功を喜び、新しい可能性を探求することを恐れず、創造性を追求し続けましょう。

湘南藤沢メディアセンターは、学生たちが自由に学び、考え、創造することを奨励し、そのプロセスを支えるために最新のテクノロジーを提供し続けています。 高い精度、そしてより広範囲な用途での利用を可能にした「UltiMaker S7」の導入により、さらなるクリエイティブな環境の構築が期待されています。

注釈:取材時は、撮影のためマスクを外しています。慶應義塾大学 湘南藤沢メディアセンターでは、新型コロナウイルスに関連した感染症対策として、検温、マスク着用、手指消毒、3密回避のほか、健康管理を徹底しています。

湘南藤沢メディアセンター

慶應義塾大学内の学生様にデータベースや電子ジャーナル、電子ブックなど、豊富な資料を活用した図書館サービスを提供

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取𣏾日: 2023年6月14日
取材場所: 慶應義塾大学 湘南藤沢メディアセンター ファブスペース
取材対象者: 慶應義塾大学 湘南藤沢メディアセンター 主務 マルチメディアサービス担当 田中真紀様
取材対象機種: UltiMaker S5 – 2台 / UltiMaker S7 – 4台

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3Dプリント ケーススタディ

『我々のデザイン業務に3Dプリンターは欠かすことができないツールに』テクノアートリサーチ様

Bruleとテクノアートリサーチのコラボレーション動画 2022年次世代3Dプリンタ展にて動画展示

製品のデザイン・開発現場における3Dプリンターの役割は、従来のラピッドプロトタイピング(3Dテクノロジーを活用した迅速な試作モデル開発技法)だけに留まらず、新しいモノづくりに大切な「創造力」や「独創力」を生み出す”クリエイティビティ”の向上にも欠かすことができないツールへと進化している。

今回取材した株式会社テクノアートリサーチ(以下 テクノアートリサーチ)は、カーデザインで培った経験を活かし、コンセプトメイキングから工業製品全般の企画、デザイン開発までのデザインフォローを一貫して行っており、そのプロセスにおいて3Dプリント技術をフル活用した業務の効率化を実現している。

テクノアートリサーチによるカーデザイン
東京2020オリンピック・パラリンピックをサポートする専用モビリティ「APM (Accessible People Mover) 2019」

事業内容について

テクノアートリサーチではどのような事業を展開されていますか?

トヨタデザイングループは世界各地にデザイン拠点を持っており、テクノアートリサーチは同グループにおける日本のデザイン拠点となっています。

弊社は、車両デザインを中心に幅広いプロダクトデザイン提案を行っています。また、トヨタに属しているデザイン拠点としての側面と、フリーランス的活動の一環として、一般企業からの案件にも対応しています。

デザイン業務の幅としては、自動車の外観・内装デザインを中心に、船舶や住宅機器、その他様々な工業製品のデザイン、またそれに付随したブランディング、3Dモデリング技術を活かしたコンテンツ開発、高校/専門校/大学などのデザイン講師など、多岐に渡る業務を手掛けています。

事業内容や3Dプリンターの可能性について語っていただいた経営統括本部本部長 桑田氏
UltiMaker S5で造形した部品を手に3Dプリンターの重要性を語る同社制作部 シニアエキスパートモデラー 冨永氏

3Dプリンターを導入したキッカケ(導入時期、初回導入機器について)

3Dプリンターを導入するに至った経緯について伺いたいのですが、御社ではどのようなキッカケで3Dプリンターを導入されたのでしょうか?また、導入された時期についても伺えますか?

ありがちな応えかもしれませんが、3Dプリンターを導入しようと思ったのは、シンプルに「3Dプリンターっておもしろそうだな」というところからです。

我々の会社は都市部のオフィス街にあるため、機械の重量や騒音をはじめとした様々な問題から、大型の機械を導入することが難しい環境にあります。しかし、デスクトップ型の3Dプリンターは、軽くてコンパクトなため我々のようなオフィス環境でも設置できますし、何よりリーズナブルな製品でも高性能でコストパフォーマンスに優れた製品が多数ラインアップされていることを知り、導入してみることにしました。

3Dプリンターを初めて導入した時期は確か2017年頃だったと思います。

当時は、初めて3Dプリンター導入ということで、ロープライスなFDM方式の機種を試しに使ってみたのですが、いざ実際使い始めると、当初想定していた以上に業務内で活用できることが分かり、より高性能な製品が欲しくなり、UltiMakerの「UltiMaker S5」と、Formlabsの「Form2」購入しました。

UltiMaker S5とFormlabs Form2の選定理由

FFF方式、光造形方式、どちらのタイプも複数のメーカーから様々な商品がラインアップされていますが、何故この2機種を選定されたのでしょう?

3Dプリンターの選定に当たりいくつも展示会を巡って感じていたのはサンプル品として展示している、よくあるタワーや船などの形状では、我々が求めている滑らかなデザイン意匠面を正確に再現してくれるのか分からず、要求を満たしている製品かどうか、判断出来ずにいました。そこで2019年夏頃に、導入候補として挙げていた3Dプリンター代理店を 5社ほど廻り、弊社指定のデータと条件で、プリントアウトして欲しいとお願いしました。あえて造形しにくい意地悪な形状と悪い条件で造形物を各社統一したのです。後日、実際に出来あがってきたモノを見て比較、評価しました。その中で、Brule(ブルレー)さんの「UltiMaker S5」で造形した物が一番きれいで予想を上回る出来に正直驚きました。そして迷わず「UltiMaker S5」を選択しました。また、デュアルヘッドであること、水溶性サポートなど多種多彩なマテリアルに対応していて使用用途の広がりを感じたのも理由の一つです。

コンセプトカー「Speedy Gesture」

もう一方の光造形「Form2」を選んだ理由ですが。

元々、高精細な造形に適した光造形機を欲しかったんですが、臭いや後処理の問題がある光造形機が本当にオフィス環境で使えるのか?と躊躇っていたんです。しかし、ブルレーの担当者さんに親身になって相談に乗っていただき検討を重ねるうち、我々のオフィス環境でも十分に使えると判断して、「Ultimaker S5」と同時に購入させていただきました。

実際に使ってみると心配だった匂いはほとんど気になりませんでした。

検証用モデルとして提供された「Speedy Gesture」の3Dプリント模型

産業用3Dプリンターとの比較

選定の際、大手メーカーの産業用3Dプリンターも候補にされましたか?

それはありませんでした。

予算的に折り合わなかったのもありますが、元々我々のような都市部のオフィスでは、産業用3Dプリンターのような大型機を設置するのが非常に難しいのです。粉末系プリンターも粉末除去用の機材スペースが別に必要で、設置場所に制限がでてくる為、当初から産業用3Dプリンターの導入は考えていませんでした。

デザインの現場において欠かすことができないツールとなった3Dプリンター

実際に3Dプリンターを使われているのは、どのような方達ですか?また、使用開始してから業務内容に変化はありましたか?

3Dプリンター使うメンバーとしては、デザインを具現化する「モデラー」が割とよく使っています。

最近では、3Dレンダリングソフトウェアの性能が向上し、レンダリング画像だけでもある程度判断できるようになってきましたが、細かなディディールや収まりなどに関しては、画面だけではどうしても分からないですし、何より我々は「物」で勝負している会社なので、最終的には実際に手に触れることができる「物」で確認したいのです。

例えばこれは、グリルの一部を再現するためにプリントしたパーツですが、こういった部品を1分の1サイズでプリントすることで、CADデータだけでは分からなかった細かな部分が確認することができるようになります。

こうして実際にプリントされた物を手にして検証し、修正点を3Dデータに反映させる。そしてそれを再びプリントして確認する。社内に3Dプリンターがあることで、このプロセスを納得いくまで何度も繰り返すことが可能になるため、結果的に、デザイン品質そのものを向上させることができるようになりました。

また、スポーツカーのデザインを得意とする弊社ですが我々のオフィス内で4分の1や5分の1のスケールモデルを作製することがあります。従来のように、粘土や発泡スチロールを使用して造った場合、スポイラーやグリル、ダクト、スポイラーなど薄い部分を作ることがとても難しいのです。しかし、3Dプリンターを活用すれば粘土では再現できなかった細かな箇所も部分的にはめ込み、表現できるようになるので、使い方次第で造形の幅も広がりかつ、リアリティーを出す事により正確なデザインの検証が出来ます。

データ立体検証に3Dプリントしたモデル(手前)を利用してデザインを追求し、制作されたクレイモデル

社内で必要な物を造れるようになったということは、3Dプリンターが、コストやリードタイムの削減にも大きく貢献しているということですね。

おっしゃる通りです。

精度の要求される物や実寸に近いサイズの物を制作する場合、今まではほとんど外注先へ委託していましたが、制作期間が長く、とても高価なため、出来上がった物に対して気軽に修正を加えて造り直すことが難しかったんです。しかし、3Dプリンターを社内導入してからは、自分達が納得いくまで何度でもやり直しすることが可能となり、結果的に外注費などのコストも大幅に削減することができました。

繰り返しデザインを追求することが可能になったことで、社内全体のクリエイティビティも向上したということですね。

そうです。細部にまで拘ってデザインを追求できるようになることで、より精度の高いデザイン開発環境を構築することができました。

また弊社では、社内活動の一環として、デザイナー、モデラ―に限らず「ものづくり力」を養うため、3Dプリンターでカプセルトイなどを製作し、クリエイション活動を行っています。画面上でのデザインだけでなく、実際に形にすることで、刺激を受け、様々なアイディアが生まれるキッカケになっています。

3Dプリンターの運用について

3Dプリンターを適切に運用するには、定期的なメンテナンスが必要になると思いますが、御社ではどういったメンテナンスを行っていますか?

プロジェクトの内容によっても異なりますが、我々が実際に3Dプリンターを使うのは、1週間に1〜2回程度ですが、特別なメンテンナンスはしていませんし、専門の部署や担当者も置いていません。普段は、3Dプリンターを使用する頻度が高いモデラー数名で運用している感じです。

弊社で最初に購入したFFF方式の3Dプリンターは、割と癖が強くて専門的な知識が必要でしたが、「UltiMaker S5」は造形ミスが少なく動作が安定している為、問題なく使い続けることが出来ています。今のところメンテナンスに関連した特別な作業は簡単な掃除以外、行っていません。また当初は、光造形で使用するレジン材料の管理方法について気になっていましたが、「Form2」はレジンタンクに材料を入れっぱなしでも光や気温、埃などに気を付ければ劣化せず、問題なく使えているので、光造形においてもあまりメンテナンスの必要性を感じていません。

今回新たに導入したFromlabs Form3を操作する制作部エキスパートモデラー嶋谷氏

「UltiMaker S5」と「Form2」は共に、ボタン1つ押せばほぼ自動でプリントしてくれるので、メンテナンスのことを気にせず、3Dプリンター初心者でもすぐに操作を覚えられるので助かっています。

3Dプリント材料について

材料についても伺いたいのですが、「UltiMaker S5」と「Form2」、それぞれの機種でよく利用されている材料はどのような材料ですか?

「UltiMaker S5」でよく使う材料は、PLAとABSですね。色に関してですが、多少遊びを入れたい場合はカラフルな材料を使用することもありますが、基本的にはディテールの確認に適したグレー色を使用しています。これについては「Form2」も同じで、スタンダード材料のグレー色をメインに使っています。また、光造形にはクリアー系素材もあるので、 レンズやガラス部品を再現する際、現物の見え方に近い透明な材料も使っています。

光造形の場合、造形の際にサポート跡が付いてしまいますが、ここに関してはどのように対処されていますか?

光造形のサポート跡については、造形時のモデルの角度を調整して、見えづらい場所やサポート構造を取りやすい場所に設置するなどして試行錯誤を重ねています。その他にも、プリント後に部品同士を被せて隠すようにしたりと、できるだけサポート跡が目立たないようにするために様々なやり方を試していますが、こういった工夫って、やればやるだけ気付きが多いんです。デザインの仕事は色々なパターンに応えないといけないので、正解を見つけながら、ベストなやり方を探っている感じですね。このようなノウハウが蓄積できるのも、社内に3Dプリンターを導入しているメリットのひとつだと思います。

水溶性サポート材を使われることはありますか?

3Dプリンターって、3Dデータを形にするのに制約がない分、アイディアの幅がすごく広がってきますが、複雑な部品の場合は、どうしてもサポート構造が必要になるので、UltiMakerの水溶性サポート材は使っています。この水溶性サポート材があれば、サポート構造を気にせず複雑な構造物をプリントできますし、除去も簡単なので積極的に活用しています。

後処理、仕上げについて

3Dプリントした造形物に対し、研磨や塗装を施すことはありますか?

外部から委託された際の納品物に関しては仕上げ作業をしますが、元々「UltiMaker S5」と「Form2」は表面の仕上がりが良いので、形を確認するだけであれば研磨しなくても十分に検証できます。特に「Form2」でプリントした物は、積層ピッチがほぼ見えないため、軽く研磨する程度で塗装もできてしまう印象です。

異なる造形方式の使い分け

「UltiMaker S5」と「Form2」の異なるプリント方式の3Dプリンターは、どのように使い分けされていますか?

「UltiMaker S5」の方は、「Form2」よりも造形エリアが広い分、比較的大きな物を出力する際に使っています。

「Form2」の方は、造形エリアが少し小さくなりますが、FFF方式よりも精密な造形が可能なため、より繊細な部品が必要になった場合に使用しています。

例えば、車のドア見切りの確認もそのひとつです。

面をスパッと切ってアー厶(金具)を掛けると、同じ面なのに段差があるように見えてしまうことがあるんですが、そのように精密な部分を再現し確認する際は、積層ピッチが目立たず、高精細な造形が可能な「Form2」を使ってプリントして、より精度の高い検証を行っています。

今後の運用について

オフィス環境の見直しなどを行っているそうですが、3Dプリンターの設置環境や運用面で変わることはありますか?

特に大きな変化はありません。3Dプリンターは元々モデルルームに設置していましたが、新しいレイアウトでは、デザイナー、モデラーに限らず、比較的見やすくみんなが触りやすい環境にして、身近に感じてもらいどんどん使ってもらう予定です。そうする事で社内のクリエイションがより活発になると思っています。

現在利用中の3Dプリンターの他に、使ってみたい3Dプリンターはありますか?

ブルレーさんで扱っている「Nexa3D(ネクサ)」と、Formlabsの「Fuse1(ヒューズ1)」が気になっています。

「Form2」の場合、造形物の大きさによってプリントに2~3日かかることがあるので、「Nexa3D」の造形スピードにはとても魅力を感じています。

もう一つ、粉末系3Dプリンター「Fuse1」は、造形時の制約(サポート構造)に縛られることが無いので用途が広がりそうだと感じています。先に述べた事が問題としてありますが、空調関連など、設置環境が整っていれば是非使ってみたい機種のひとつです。

カーデザインで培った経験と3Dプリント技術を活用し、デザイン力の強化と業務の効率化を実現しているテクノアートリサーチ 桑田本部長は「今となっては、我々のデザイン業務に3Dプリンターは欠かすことができないツールになっています」と語っている。

注釈:取材時は、撮影のためマスクを外しています。株式会社テクノアートリサーチでは、新型コロナウイルスに関連した感染症対策として、検温、マスク着用、手指消毒、3密回避のほか、健康管理を徹底しています。

株式会社テクノアートリサーチ
世界各地にデザイン拠点を持つトヨタデザイングループにおける日本のデザイン拠点。自動車外形や内装等のデザイン企画、モデル制作に担う。株式会社テクノアートリサーチウェブサイト

取材日 2022年5月24日

取材場所 名古屋市栄にある株式会社テクノアートリサーチデザイン拠点

取材対象者
株式会社テクノアートリサーチ 制作部シニアエキスパート, 冨永 敏之様

取材対象機種
UltiMaker S5 Pro Bundle 1台
Formlabs Form 2 1台

製品に関する問合せ先:03-6803-0563 / sales@brule.co.jp

UltiMaker S5 Pro Bundle
Formlabs Form 3+(Form 2後継機種)
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3Dプリント ケーススタディ

「射出成型機が全部3Dプリンターに置き換わる未来があるのではないかなと思っています。」甲子化学工業様 2 / 2

本ケーススタディ記事は2部構成です。1/2はこちらからご覧ください。

活用事例 2 『FA機器(プラスチック成形品の自動組立装置)の開発』

casestudy-koshikagaku
甲子化学工業株式会社 生産拠点にて, 自動組立装置, 企画開発部主任 南原徹也様

概要

自社開発したFA機器(プラスチック成形品の自動組立装置)では、Fuse1を活用して、主要部品を設計製作。3Dプリンターを活用することで、大幅な時間およびコスト削減を実現。

プラスチック成形品の自動組立装置, 3DCAD上でのモデル
プラスチック成型品の自動組立装置, 完成品実物
プラスチック成型品の自動組立装置, スライサーソフト「PreForm」上での造形レイアウト1
プラスチック成型品の自動組立装置, スライサーソフト「PreForm」上での造形レイアウト2

切削加工のみと切削加工+3Dプリント(Formlabs Fuse1)での部品点数比較

3Dプリンターを活用することで、従来の切削加工の際に必要としていた製造を意識した最適化設計の時間を省け、部品点数や組立時間も大幅に削減することができる。更に、加工図の作成や細かな加工指示も不要となるため、作業効率は格段に向上する。

Fuse1で作られた、プラスチック成形品の自動組立装置のパーツ, KOUSHIの文字がプリントされている
Fuse1で作られた、プラスチック成形品の自動組立装置のパーツ, ほぼプリントパーツとなっている
Fuse1で作られた、プラスチック成形品の自動組立装置のパーツ, プリントが高精度でなれけば位置決めできない

下表は、「切削加工のみの場合」「切削加工+3Dプリントした場合(3Dプリント部品数)」の部品数比較。

3Dプリントで複数立体部品を一体化することで、部品点数が切削加工のみと比較して215個(51%)削減できていること、 3Dプリンターを活用した場合、加工品の約69%を置き換えできていることが分かる。

活用事例2: 部品点数, プラスチック成形品の自動組立装置, 「切削加工のみ」と「切削加工+3Dプリント」 で比較, Formlabs Fuse1

切削加工のみと切削加工+3Dプリント(Formlabs Fuse1)でのコスト比較

下の比較表は、「切削加工のみで製作した場合」「切削加工+3Dプリントで製作した場合」の製作時間と製作費用の比較になります。切削加工は外注を想定。

総製作時間について、切削加工のみの場合は117時間、切削加工+3Dプリントの場合は88時間となり、25%短縮されていることが分かる。また、総加工費については、切削加工のみの場合は151万円、切削加工+3Dプリントの場合は78.6万円と、約半額(73万円、48%)に削減されている。

Fuse1で作られた、プラスチック成形品の自動組立装置のパーツ, 大型パーツもプリントされている
Fuse1で作られた、プラスチック成形品の自動組立装置のパーツ, 同形状の大量生産はFuse1の十八番
Fuse1で作られた、プラスチック成形品の自動組立装置のパーツ, 切削加工だと部品点数増やすしかない
活用事例2: コスト比較, プラスチック成形品の自動組立装置,「切削加工のみ」と「切削加工+3Dプリント」で比較 , Formlabs Fuse1

※3Dプリンターの使用については、別途機器・設備費などを考慮する必要があるが、プラス12万円程度に抑えられる。

※3Dプリントの材料費は、次表「材料コスト」と同項目であるため青色にしている。

3Dプリント(Formlabs Fuse1)での造形重量と材料コスト

上記3Dプリント(造形)した場合の重量と材料費の内訳。

活用事例2: 3Dプリントの造形重量と材料コスト, プラスチック成形品の自動組立装置 , Formlabs Fuse1

UltiMaker S5」に次いで「Fuse1」を導入されたことで大きなメリットを得られたようですが、以前利用されたいた「Form 2」から「UltiMaker S5」にシフトしたキッカケは、やはり素材の問題やメンテナンス性が要因でしょうか?

そうですね。現場に「Form 2」を置けない理由としては、やはり薬品や粉塵の問題ですね。光造形機は、ミラーの汚れなど粉塵が苦手だと思うんですね。それと、薬品が傷口から入りアレルギーを起こす原因にもなるため、そういった意味でも少し扱いにくいと感じていました。

出来上がるものはすごくきれいですが、サポート構造が付く位置も考えて設計しなければなりませんし、その設計スキルも必要になるため、弊社の年配社員には恐らく使いこなせないなという点も、光造形機を現場に設置していない理由のひとつです。

これまでに導入された3Dプリンターに関する情報は、どこから入手されましたか?

全てネットで検索しています。ネット上にあるレビューや、YouTubeも見ています。海外の方がユーザーも多く事例も沢山あるので、海外のサイトを中心に見ています。

Fuse1」で作られた部品から構成された生産システムに使われる部品にはロゴも入れてありますが、ここにも意図があるのでしょうか?

そうなんです、ロゴは別に無くても良いです。ただ面白いのが、ロゴを配置したことで、材料使用量が減っているんです。従来の金属加工だと、肉抜きすればするほど加工時間が増え、コストも増えるのですが、3Dプリンターだと逆に材料コストがどんどん下がるんです。それにより造形時間が延長されるかというと全然変わらないので、全く真逆の考え方になります。ここは少し慣れも必要で難しいところではありますが、とても面白いですね。

3Dプリントの造形サービスについて

甲子化学工業株式会社 生産拠点にて, 空調設備の排気方向をずらしている
甲子化学工業株式会社 生産拠点にて, へび皮をみると、ディティールが造形されていることが分かる

御社では造形サービスも提供されているようですが、そちらのサービスではどちらの3Dプリンターを利用されていますか?

造形サービスでは、基本的に「Fuse1」を使用しています。

受注頻度はどのくらいですか?

既存顧客に対してのみ対応しているので、件数は少ないですね。ゼロの時もありますが、多い時で月10件くらいですね。

御社の造形サービスは、お取引実績のある顧客に限定して提供されている?

そうですね、業界問わず幅広いお客様のご要望に応じています。例えば、お取引のある大学様では、学生さんの卒業制作の出力などにも対応しています。

造形サービスを受けられる際、3Dデータは先方から提供される場合がほとんどですか?

そうですね。基本的にサービスとして対応する場合は、3Dデータをご用意いただきます。弊社でも3Dデータのご用意も可能ですが、それは別のサービスとしてお受けしています。

造形サービスは、価格設定が難しくありませんか?

結局値段が勝負になってしまうと絶対に中国などには勝てないので、価格競争はしないつもりです。そういった面を含め、理解いただけるお客様だけお付き合いするようにしています。

3Dプリントでの開発製品がグッドデザイン賞を受賞、その開発手法とは?

甲子化学工業株式会社 生産拠点にて, アームスライダ―と共に, 企画開発部主任 南原徹也様

グッドデザイン賞を受賞された「アームスライダー」、こちらの製品開発段階でも「UltiMaker S5」は使われていたのですか?

はい、開発段階からフル活用していました。逆に言えば、「UltiMaker S5」がなければアームスライダーは作れていませんでした。

当初、新聞などからもアームスライダーの件で取材を受けたのですが、その時に見せていた品物は全て「UltiMaker S5」で作った試作品です。それを後処理できれいにして塗装したものを利用していました。

モックアップから成型用の治具に至るまで、一連の行程で「UltiMaker S5」を使われていたということは、まさに3Dプリンターありきのプロジェクトですね。

そうです。弊社では、3Dプリンターがないと仕事が進まなくなってきているくらいです。

活用事例 3 『アームスライダーの試作』

概要

2021グッドデザイン賞を受賞したアームスライダー(直接手を触れずにドアを開閉するできる製品)の試作にも3DプリンターUltiMaker S5を活用。本製品は、コロナ下により短期間での製品化が求められていた。本製品だけでなく、開発のためのドアノブもプリントすることにより、試作デザインサイクルを短時間で回すことに成功した。甲子化学工業では、本製品だけでなく、多くの製品開発にも活用されている。

Ultimaker S5で試作中のようす, アームスライダー
Ultimaker S5で試作中のようす, アームスライダー
Ultimaker S5で試作中のようす, 完成したアームスライダー
実際にドアに設置されたアームスライダー

アームスライダー開発試作における、「型」「切削」「3Dプリント」の時間と材料費比較

3Dプリントによる加工が、圧倒的に有利な結果となっている。切削加工はそもそも製作不可であり、型を使うと2週間以上、材料費のケタが変わる。

活用事例3: アームスライダー開発試作のおけるコスト比較(製作時間、材料費) , Ultimaker S5

仮にアームスライダーのようにやや大きな物を「Fuse1」で出力した場合、FFF方式と比べてコスト増になりそうですが、実際のところいかがですか?

そうですね、多少コストアップには繋がりますが、外注に出すことを考えれば安く仕上がりますし、そこに費やすコストよりも、開発のサイクルをできるだけ短くし効率化を狙う方が、弊社としては優先度が高いと考えています。

アームスライダーはコロナ対策として作っていたため、お客様からも1日でも早く欲しいといご要望があったので、とにかくスピードを優先していました。今までのように外注に製作委託した場合だと、1週間程度掛かるのが普通でしたが、3Dプリンターで内製すると1日で準備ができるため、そこのリードタイム削減効果はとても大きいですね。

アームスライダーは、ドアノブの太さに合わせ、いろいろなサイズを用意されているのですか?

そうです。様々なサイズに対応するため、開発段階で実寸のドアノブが必要でしたが、それぞれのドアノブを1個ずつ買うと、1個1万円くらい掛かり、トータルでは非常に高コストになるため、それぞれのドアノブのデータをダウンロードして、3Dプリンターで実寸のドアノブを作り、製品の開発を行いました。

実寸のドアノブと、取付部品の試作にも3Dプリンターを活用されたのですね。

そうですね。両方を3Dプリンターで作れたことで、すごいコスト削減になりました。

甲子化学工業株式会社 生産拠点にて, 生産設備に適用されているアームスライダ―
甲子化学工業株式会社 生産拠点にて, 量産されるアームスライダ―

使用しているマテリアル(材料素材)

3Dプリンター用のマテリアルについてお伺いしたいのですが。UltiMakerでは、純正の「タフPLA」をメインに使用されているようですが、他のマテリアルも試されてますか?

いろいろ試してみて、一番扱いやすいのが「タフPLA」でした。タフPLAは反りにくくて寸法も安定しています。さらに強度もあるので、トラブルも少なくて済んでいます。

熱変化がある場所で使用しても変形などありませんか?g

弊社の利用環境では、40度くらいでしたら問題なく使えています。開発費も含めると、トータルで大幅なコスト削減に繋がっています。

UltiMakerには他にも色々なフィラメントがありますが、他のフィラメントを使われることはありますか?

過去には、ガラス繊維入りナイロンなども試しました。これはお客様からのご依頼で、土を掘削する機械の前面に取り付けるセンサー用部品を作りました。治具用途では使ったことはないですね。

つまり、タフPLAで十分に賄えてしまうということですね。

そうです。

UltiMaker S5でプリントされたナット用パーツフィーダー(治具)
UltiMaker S5でプリントされたナット用パーツフィーダー, ナットが1つずつ滑り台を滑る
UltiMaker S5でプリントされた吸着治具
UltiMaker S5でプリントされた吸着治具, エア接続されている

Fuse1」にはナイロン11ナイロン12の2種類がありますが、現在は主にナイロン12を使われているようですね。そちらのマテリアルを選択された理由について教えてください。

ナイロン11は、自由度が高くて良いのですが、材料価格が高いのネックです。ナイロン12は、それほど自由度は高くないのですが、強度もしっかりあり値段も少し安いので、弊社では基本的にナイロン12を使用しています。できれば、11と12を頻繁に使い分けたいのですが、現在のシステムではそれが難しいので、ずっと12を使っています。

粉末系の機械は材料の交換が簡単にできないのが、唯一の不満点ですね。今の射出成型機は、材料の交換が簡単にできるようになっているので、それと同等に簡単に材料交換ができるようになれば、「Fuse1」のような3Dプリントシステムも普及すると思います。

パウダー(粉末)の管理などで特に苦労されている点はありますか?

それは全くないですね。唯一気にしていると言えば、湿度ですね。「Fuse1」を設置している専用の部屋は、湿度が最適になるようコントロールしています。

生産拠点のFuse1設置ルーム, Formlabs Fuse1とSift1、バキュームが間に設置されている
生産拠点のFuse1設置ルーム, ここには塗装ブースも設置されている

Fuse1」用として、今後リリースして欲しい材料などありますか?

ありますね。エラストマー系を使いたいのと、原理的に無理かもしれないのですが、PP(ポリプロピレン)などの汎用樹脂も使えるようになると、実製品に近いものが開発できるようになると思います。もちろん現行のナイロンも良い素材ですが、ナイロンでなくても良いものも沢山あるので、もう少し汎用性の高い材料が使えれば、もっと安く作ることができるようになります。

生産現場での評価と今後の展開

甲子化学工業株式会社 生産拠点にて, 企画開発部主任 南原徹也様

3Dプリンターを利用する中で、現場の評価や満足度についてはいかがですか?

UltiMaker S5」は、かなり満足度が高いですね。メンテナンスもほとんど要りませんし、3Dデータを作れば形になるという使い方が現場でもイメージできているので、重宝されてます。また、光造形機のように薬品類を心配する必要もないので、手軽さや健康面からも評価されています。

Fuse1」の方は、オペレーションや後処理に少し時間が掛かるので、用途に応じて使い分けている状況ですが、何れも満足度は高いですね。

実際に3Dプリンターを利用されている方は、何名ほどいらっしゃいますか?

現在、製造部門には4名所属していますが、そのうち3名が使っています。現場ではみんな自由に使いこなしています。

どちらの機種も、ほぼ毎日動いているような状態ですね?

そうですね。現場では「UltiMaker S5」の使用頻度が高いですが、両方とも結構な割合で動いています。

Fuse1」の設置環境についてですが、今後「Fuse1」を増設されることがあった場合、現在と同じように専用部屋を設けて設置されますか?

今後「Fuse1」増設した場合も、個別の部屋に設置したいと思っています。材料が混ざってしまうのも避けたいですし、工場からでる粉塵なども混ざるのが嫌なので、専用の部屋が必要だと考えています。

弊社が「Fuse1」を設置する部屋にはパソコンもあり、塗装ブースも併設されていますが、他社のSLS方式3Dプリンターの場合、同じ空間にパソコンや塗装ブースを置く事はできません。これができるのも「Fuse Sift」を含めたシステムのおかげだと思います。

今後、3Dプリンターを増設される計画はありますか?

私自身3Dプリンターが好きなので、射出成型機が全部3Dプリンターに置き換わる未来があるのではないかなと思っています。最近では、メーカーも大量生産をほとんどせず、少量多品種が主流になってきました。今後もその傾向は強くなると思うので、例えば「Fuse1」を5台、10台並べ、3Dプリンターで作る時代が来ると考えています。そんな時には、色々と買い足して、システムを構築したいなと思います。

注釈:取材時は、撮影のためマスクを外しています。甲子化学工業株式会社では、新型コロナウイルスに関連した感染症対策として、検温、マスク着用、手指消毒、3密回避のほか、健康管理を徹底しています。

甲子化学工業株式会社
年間1,000種類、1,400万個以上のプラスチック部品・製品製造の実績、誰もが1度は触れたことのあるプラスチック製品を作る大阪市のメーカー。(甲子化学工業株式会社ウェブサイト
取材日 2021年12月10日

取材場所 東大阪市の甲子化学工業株式会社生産拠点

取材対象者
甲子化学工業株式会社 企画開発部主任, 南原 徹也様

取材対象機種
UltiMaker S5 1台
Formlabs Fuse1 1台

製品に関する問合せ先:03-6803-0563 / sales@brule.co.jp

UltiMaker S5
Formlabs Fuse1
Categories
3Dプリント ケーススタディ

「射出成型機が全部3Dプリンターに置き換わる未来があるのではないかなと思っています。」甲子化学工業様 1 / 2

従来の大量生産から、よりカスタマイズされた少量多品種へと変化してきた製造分野では、「ゲームチェンジャー」として3Dプリンティング技術が注目されています。しかし、3Dプリンティングを用いた実用部品製造の多くは、自動車、ガス/オイル、航空宇宙産業などに集中しており、より身近な現場での実態を目にする機会も少なく、製造業における3Dプリンターの有効的な活用方法について理解が進んでいない点が否めません。


多くの業界に対する幅広い展望と、多くの組織や企業に関する深い知識を備えたBruleでは、製造業におけるケーススタディとして、今回、大阪府大阪市に拠点を置く甲子化学工業株式会社様を取材。製造現場における優れた3Dプリンターの活用内容をご紹介いたします。

3Dプリンターを使用している事業と3Dプリンターの導入経緯

御社の事業内容についてご説明いただけますか?

甲子化学工業株式会社は、プラスチック部品や製品を作る会社で、お客様からのご依頼を受け、それを形にする会社です。皆さんがオフィスで使われているオフィス家具の袖机の取手など、様々なプラスチック製品を数多く作っています。その他にも、飲料器具の部品であったり、コンビニに設置される筐体部品であったり、おそらくほとんどの方が弊社の工場で作ったものを、一度は触ったことがあると思います。皆さんにとっても身近なものを作っています。

甲子化学工業株式会社 生産拠点にて, 企画開発部主任 南原徹也様

身近なプラスチック製品を製造するメーカー様との取引件数も多いということは、工場の稼働率も高いのですね。

そうですね。商社が入る場合が多いため取引は間接的になりますが、扱う製品数も非常に多いため、工場内の生産機器はフル稼働している状態が続いています。

3Dプリンターは、熱溶解フィラメント方式(FFF/FDM方式)の「UltiMaker S5」と、粉末焼結積層造形方式(SLS方式)の「Fuse1」の2種類を導入されていますが、それぞれの機械を導入されたきっかけや経緯をについて伺えますか?

初めのきっかけは、シンプルに「面白そう」からです。私自身モノづくりが好きなので、新しいモノの作り方である3Dプリンターを使ってみたいという思いがあり、最初にFormlabsの「Form 2」(現行機種は「Form 3+」)を導入しました。

「From 2」は光造形方式の3Dプリンターなので、生産治具を作りたいと思っても、紫外線で徐々に劣化するなど強度面で心配がありました。そのような悩みを抱えていた時期に、FFF方式の方が良いのではないかと考え、ノーメンテナンスで使えそうな機種である「UltiMaker S5」を2年前に導入しました。

甲子化学工業株式会社 生産拠点にて, Ultimaker S5と共に工作エリアにて, 企画開発部主任 南原徹也様

UltiMaker S5」導入後、さらに「Fuse1」を導入されたのはなぜですか?

初めはやはり「使ってみたい」というシンプルな発想から始まったのですが、欲しいだけでは買えない製品なので、いろいろな利用を考えていました。SLS方式はサポート材が必要ないし、表面もきれいで造形の品質が良い。プリント材料であるナイロンは、長期間使っても材料的に安定しているということもあり、最終用途製品にも使えると思って購入を決めました。

パウダー(粉末)を使うSLS方式の3Dプリンターは、様々なメーカーのものがあります。何故「Fuse1」を選ばれたのでしょうか?

それは、後処理システム「Fuse Sift」の存在ですね。実際に他社製品も見学し検討してみましが、あまり現実的ではないと思ったんです。他社の3Dプリントシステムでは、プリント後の後処理工程で粉末の管理がとても大変で、移動やふるいに掛けている際もずっと粉が舞うので、整備された専用の空間が必要になってきます。しかし「Fuse1」では、3Dプリントから後処理までの一連のプロセスが効率化されていて、凄く使いやすいため、自分が作業ミスさえしなければ粉が舞い散ってしまうようなこともありません。

甲子化学工業株式会社 生産拠点にて, Formlabs Fuse1 Sift1と共に, 企画開発部主任 南原徹也様

3Dプリンターの使い分け(FFF / FDM方式SLS方式)と使い勝手

御社では、2種類の3Dプリンターの特性を上手に活かし利用されてますが、実際に使ってみての印象はいかがですか?

2種類の3Dプリンタ―を導入するまでは光造形方式しか知らなかったため、それとの比較になってしまいますが。「UltiMaker S5」を使いはじめてみて、こんなにも楽なのか?!と感じました。3Dデータを作って3Dプリンターに送るだけで、欲しいものが出来上がっている。そのイメージで使えるので、すごく驚きました。弊社では、ここ2、3年で1回しかメンテナンスしていないんですが、それでも安定して、失敗もほとんど無く可動している「UltiMaker S5」は、本当に良い機種です。

Fuse1」は、使いはじめてまだ日が浅いので、メンテナンス自体も全くしていません。導入前に一番心配していたのは後処理なんですが、「Fuse1」はそこが完全にシステム化されていて、後処理専用のシステム(Fuse Sift)もあり、粉末材料が極力流出しないような設計になっているため、心配していたほど粉末に対する対策は要りませんでした。当初考えていたよりも手間が掛からないので安心して使えています。

UltiMaker S5」 はFFF方式、「Fuse1」 はSLS方式と、それぞれ異なる造形方式の機械ですが、実際に現場で使われる際、それぞれの造形方式で使い分けはされていますか?

そうですね、基本的にはFFF方式である「UltiMaker S5」で対応できるものが大半です。ただし、サポート材を付けないと造形が上手くいかないようなものがある場合、例えば、エア配管のように、内部に細かい空気の通り道が必要な場合など、難易度の高いサポート材の設置が必要なものは、SLS方式である「Fuse1」を使うようにしています。

FFF方式の「UltiMaker S5」の方は材料も安いものが揃っているので、コストの面からも、極力「UltiMaker S5」を使うようにしています。

ただし、お客様に提供するものなど、見栄を重視したものについては、ほぼ「Fuse1」一択になってきました。以前は、「Ultimaker S5」で出力したものを磨いていため、積層痕を消すのがかなり大変だったんですが、「Fuse1」で出力した物はそれが必要なくなったので助かっています。

3Dプリンター用モデル設計と生産現場でのモデリングへの取り組み

現場で使用されている細かな配管を必要とする治具などの部品にも、「UltiMaker S5」で作られたものが有りますが、配管内にサポート構造が付かないようにするなど、設計上工夫されている部分はありますか?

始めは色々と試していましたが、結局普通の丸(空気の通り道となる円筒状の部分)で設計しても問題ないと分かり、今では何も考えずに丸のままで設計し、出力しています。

「Cura」の設定を大きく変更しなくても、デフォルト設定のままでも十分に必要な物が出力できるのが、「UltiMaker S5」の良いところですね。

甲子化学工業株式会社 生産拠点にて, UltiMaker S5設置の工作エリア
甲子化学工業株式会社 生産拠点にて, 工作エリアに設置されたUltiMaker S5
甲子化学工業株式会社 生産拠点にて, UltiMaker S5でプリント中の生産治具

トライ&エラーを重ね、デフォルト設定でも十分にいけるだろうと判断されたということですね。

そうです。弊社では「Cura」の設定はほぼデフォルト設定のままです。「Cura」には沢山の設定項目がありますが、弊社ではほぼデフォルト設定で利用しています。急ぎの案件などに対応する際は、結構シビアに設定を操作しますが、それを社内で共有するのは結構大変です。

ただ、半年前くらいのアップデートで、自分で操作する必要がさらになくなりましたし、カスタム設定しなくても十分な品質のものが出力できるので、現場ではデフォルト設定から選んで3Dプリントしています。

それだけ設計技術が高いということでしょうか?

いいえ、そんなことはないんです。今では、私よりも現場の年配社員の方がよく使っています。現場の年配社員たちも、ここ1、2年で3DCADを覚えたばかりです。私にCADの操作を聞かれてもあまり丁寧に教えられないので、「YouTube見て勉強して」と言って、みんなYouTubeで3DCADの操作方法を学んでいます。YouTubeで動画公開している方達は教え方も上手なので、現場の技術者たちもどんどん吸収し、設計しています。

そこで得た知識を活かし、必要なものを設計して3Dデータさえ送れれば、必要なモノができる。こんな風に特別な設計スキルが無くても作れるのが3Dプリンターの大きなメリットだと思います。

アルミ製のエア吹き出し治具(3Dプリント置換前)
UltiMakerで3Dプリントされたエア吹き出し治具(置換後)
エア吹き出し治具, エアプラグが多数接続されている
エア吹き出し治具, 内部は複雑なエア流路が形成されている

現場技術者の方々が使われている3DCADは、どんなソフトウェアですか?

みんな、AutodeskのFusion 360を使っています。Fusion 360は、安くて機能的にも優れているので、Fusion 360で設計したものをSTLで書き出してプリントしています。

SLS方式はFFF方式と違ってサポート材が要らないですが、設計自由度は向上されましたか?

向上していますね。逆に向上し過ぎてしまい、設計能力が追いついていないところがあります。我々は、従来の量産設計等に慣れてしまっているため、金型で作れるような形状で設計しがちですが、3Dプリンターだとそれをする必要がありません。自由度が高い分、本当はもっとできるはずなので、今後も研究が必要だと感じています。

FFF方式のUltiMakerの場合は、やはりサポートのことを考えないといけないので、その制約を考えながら設計していますが、「Fuse1」はそれをしなくて良いので、これからもっと面白い設計にも挑戦できるので、私自身も楽しみにしています。

Formlabs Fuse1で3Dプリントされた細いエア配管(閉じた状態)
Formlabs Fuse1で3Dプリントされた細いエア配管(開いた状態)
小さく細いパーツの内部にエア流路が作られている
切削加工などの3Dプリント以外の方法では一体製作できない

生産現場へ3Dプリンターを導入したことのメリット(実際の活用効果)

2種類の3Dプリンターを導入したことで、御社にとってどんなメリットがありましたか?

生産現場のオペレーションに関して言うと、改善のサイクルが非常に早くなりました。弊社では、自動化することが大きな命題になっており、それを達成するために日々いろいろなことを考えています。ただ、それを実現しようと思うと、新しい治具が必要になってきます。

ではその治具を、どのようにして作ろうかという時、今までは外注なども利用して金属加工をしていましたが、それには多くの時間が必要になります。金属加工による治具製作は、数十時間掛かるのも珍しくないため、時間が掛かるという理由から後回しになり、思うように進まないことが多かったのですが、社内に3Dプリンターがあると短時間で必要なパーツが完成するので、治具製作のスピードが格段に向上しました。

開発時間の短縮は大きなメリットですが、コスト削減の面ではどうですか?

コスト削減効果も非常に大きいですね。例えば、自社で金属加工する場合、ボール盤で穴をあけたり、金属棒を切断したり、そういった工程に多くの時間が必要になります。また、加工時に発生する金属粉の掃除など、余計な手間が掛かり大変です。しかし、3Dプリンターを使うとその時間が殆ど必要ないため、一連のプロセスに費やすコスト、人件費なども考えると、ものすごい差がでてきます。

現在、コスト面などで不満な点はありますか?

コスト面ではそれほど不満はありません。「Fuse1」においては、弊社独自に色々と実験をしています。リフレッシュレートで新品を30%混ぜるという決まりがメーカー側からあるのですが、それを無視してリフレッシュ0で試してみましたが、意外に大丈夫でした。強度を必要としない部品を作る際は、そうやって使いまわした材料でコストを抑えています。逆に、強度が必要な部品を作る際はきちんとリフレッシュを混ぜたりしているので、思っていたよりも材料コストは掛かっていません。

活用事例 1 『生産用治具(射出成形機械用)』

UltiMaker S5で製作された、内部にエア流路がある生産治具
UltiMaker S5で製作された、内部にエア流路がある生産治具
エア通って内圧かかっているが、プリントパーツからリークしない
自動化に不可欠な生産治具となっている

概要

本治具は、「射出成形により成形した樹脂製品を特定形状に固定したまま冷却するための治具」で、特に寸法サイズが大きい。この他にも、もう少し小さなもの(この事例の1/4~1/2程度の大きさ)にも多数用いており、細かなものを入れると、年間で100件ほど製作している。

3Dプリンターを導入する前は、改善案があっても、外注費用が高くて改良できなかったり、時間が無いため自社製造出来なかったりといった課題を抱えていたが、3Dプリンター導入後は大幅に改善され、治具製造もスムーズに進んでいる。

プリントされた生産治具を外した状態
複数パーツに分かれず、一体加工できるのが魅力

アルミ切削での自社加工、外注加工と3Dプリント(UltiMaker S5)のコスト比較

下表は、「アルミ切削で自社加工した場合」「アルミ切削で外注加工した場合」「UltiMaker S5 を使って3Dプリントした場合」の製作時間と製作費用の比較。

総製作時間について、アルミ切削加工の場合は、自社13時間、外注8時間、3Dプリントした場合は6時間となり、いずれの切削加工よりも短縮されていることが分かる。また、総加工費については、自社12.5万円、外注18.4万円となるのに対して、3Dプリントした場合は7.4万円と、大幅に削減されている

活用事例1: 生産治具を3パターンの方法で製作した場合のコスト比較(費用および、時間) , Ultimaker S5

3Dプリンターを使って内製化することで、外注費を抑えることができているようですね。

そうです。むしろ、今まで外注費が高くてできなかったことができるようになりました。

社内に3Dプリンターがあることで、トライ&エラーもしやすくなったということですね。

そうなんです。今までであれば、金型を作って確認するのに最低でも2~3カ月掛かっていましたが、3Dプリンターなら1日単位で提案ができるようになるので、本当に大きく変わりました。

また、お客様からの要望に合わせ設計案を提案する際、私みたいに経験の少ない若い技術者は、年配の技術者に比べて設計力という点では弱い部分があるのですが、3Dプリンターを活用することで、その能力差を縮め、早いピッチで設計技術も鍛えることができるようになります。

本ケーススタディ記事は2部構成です。2/2に続きます。

注釈:取材時は、撮影のためマスクを外しています。甲子化学工業株式会社では、新型コロナウイルスに関連した感染症対策として、検温、マスク着用、手指消毒、3密回避のほか、健康管理を徹底しています。

甲子化学工業株式会社
年間1,000種類、1,400万個以上のプラスチック部品・製品製造の実績、誰もが1度は触れたことのあるプラスチック製品を作る大阪市のメーカー。(甲子化学工業株式会社ウェブサイト
取材日 2021年12月10日

取材場所 東大阪市の甲子化学工業株式会社生産拠点

取材対象者
甲子化学工業株式会社 企画開発部主任, 南原 徹也様

取材対象機種
UltiMaker S5 1台
Formlabs Fuse1 1台

製品に関する問合せ先:03-6803-0563 / sales@brule.co.jp

UltiMaker S5
Formlabs Fuse1
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3Dプリント イベント

WeWorkリンクスクエア新宿でワークショップ 3Dプリントでネームタグを作ってみよう!

2月22日(火)18:30~  WeWorkリンクスクエア新宿において、WeWork入居者を対象とした3Dプリンターの使い方ワークショップを開催します。本ワークショップは、WeWork入居者の方に3Dプリントフローをご理解いただき、試用できるようになっていただくことを目的としております。

ネームタグ3Dモデルイメージ

【開催内容】

3Dプリンター(UltiMaker S5)の使い方

 ・プリンター各部と動作、プリントまでの流れについてのご説明

 ・ネームタグを作ってみよう!(CAD~スライサーソフト~3Dプリントまで)

※ ※ 本ワークショップは、WeWork内で開催するため、WeWork契約者様限定となります。

※ ご自身のお名前を入れたネームタグを作ります。

※ 受け取りはプリント後となります。

【使用プリンター】 UltiMaker S5

Ultimaker S5

【開催場所】

リンクスクエア新宿16階 3Dプリンター前(東京都渋谷区千駄ヶ谷5-27-5)

【開催日時】

2月22日(火)18:30~19:30

【使用ソフトウェア/データ】

下記ソフトおよび、3Dモデルデータを使用してご説明予定です。

※必ずしも事前にご用意していただく必要はありませんが、事前に準備していただくとスムーズです。

AUTODESK TINKER CAD(無料、クラウドベースCAD、アカウント登録要)

→ネームタグに名前テキストを入れるときに使います。

https://www.tinkercad.com

ULTIMAKER CURA(無料、スライサーソフト、ダウンロード要)

→3Dプリンター動作用のデータを作る際に使います。

https://ultimaker.com/ja/software/ultimaker-cura

ネームタグ3Dデータ

https://drive.google.com/file/d/1fbiJu6GlO3mizusPZFnRNFV3j9GfAQV4/view?usp=sharing

本ワークショップとは別に、毎週水曜日9:00~12:00にプリンター前でご質問にお答えする時間を設けております。

設置3Dプリンター

「UltiMaker S5」(+S5用エアマネージャー)

UltiMaker S5は、全世界13万台以上の導入実績がある、250種類以上のマテリアルフィラメント(材料素材)が適用可能な、UltiMakerの最新機種です。

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3Dプリント イベント

新宿のWeWorkで、3Dプリンターをお使いいただけるようになりました!

Bruleは、日本においてシェアオフィスを展開するWeWorkに実際にお使いいただける3Dプリンターを設置いたしました。

毎週水曜日9:00~12:00にプリンタ前でご質問にお答えする場を設けさせていただきます。3Dプリンターでのモデル造形にご興味のある方はご参加ください!

和の空間に佇むUltiMaker S5


設置3Dプリンター

「UltiMaker S5」(+S5用エアマネージャー)

UltiMaker S5は、全世界13万台以上の導入実績がある、250種類以上のマテリアルフィラメント(材料素材)が適用可能な、UltiMakerの最新機種です。

設置場所

WeWork リンクスクエア新宿

東京都渋谷区千駄ヶ谷5-27-5 リンクスクエア新宿 16F

使用時間/条件等

月4日までの設置を想定(3月9日まで延長)しております。詳しい使用条件等は、WeWork リンクスクエア新宿様にお問い合わせください。

必要ソフトウェア

プリントしたい3Dモデルをご用意いただき、スライサーソフトの「Cura」をインストールしていただくと、簡単にプリントいただけます。

※ Curaダウンロードと簡単な使用方法はこちら

本件に関するお問い合わせは、Brule Inc. 03-6803-0563まで

(WeWorkのご利用、条件等に関しては、WeWork リンクスクエア新宿へ直接お問い合わせください)

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3Dプリント イベント

UltiMaker 10周年記念キャンペーン

この度、弊社が販売する3DプリンターメーカーであるUltiMaker社が創立10周年を迎えました。これに伴い、Bruleは、UltiMaker10周年記念キャンペーンセールを第4四半期(2021年10月1日から12月31日までの期間)に実施いたします。

本キャンペーンは、UltiMaker社の3Dプリンターである「S5」、「S3」、「2+Connect」に対して、2種類のマテリアル、保証期間の1年追加による2年保証、Enterprise Softwareをバンドルセットとして、割引価格でお求めいただけるキャンペーンとなります。

キャンペーンページはこちら

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3Dプリント ケーススタディ

「いままで簡単に造れなかった複雑な物が、3Dプリンターを利用することで造れるようになり、学生等にとってはメリットが大きい分、学ばなければいけない事が増えた。」東京造形大学様

これまで、工業系の専門機器として利用されてきた3Dプリンターは、昨今、システムの低価格化や大量生産・大量消費からの脱却などの目的から、小規模事業者や個人にまで普及しており、今後のものづくりにおける必須スキルとして、3Dプリントや3Dモデリング技術を学ぶための教育カリキュラムを取り入れる教育機関が増えています。


3Dプリンターの新たな活用方法として、3Dプリント学習の可能性を追求するBRULÉ, Inc.(以下 ブルレー)は、今回、東京都八王子に本部を置く私立大学「東京造形大学」へ訪問し、3Dプリンターの活用状況とその教育内容について取材させていただきました。

東京造形大学, 東京都八王子市

デザイン工房への複数3Dプリンターの導入とその目的

複数の3Dプリンターが設置されているこちらの工房は、どのような目的で運用されているのでしょうか?

元々この工房では、自動車の1/1クレイモデルなどを製作していましたが、現在ではデジタル化が進んでおり、従来のアナログ方式から3Dプリンターをはじめとした最新機器を使える環境として運用しています。他の研究室にも小型の3Dプリンターを置いていますが、この工房にある3Dプリンターや様々なツールは、基本的に大学内の全学生に対して開いていて、一応誰でも利用できるようにしています。

3Dプリンターの運用について語る、東京造形大学 森田 敏昭 教授

御校では、2020年10月にNexa3DとUltiMakerS5(プロバンドル)を導入されましたが、元々所有していた他社製3Dプリンターが有る中、今回なぜこちらの2機種を導入されたのでしょうか?

3Dプリンター全体のレベルが上がる中、先ずは廉価版的な安価な3Dプリンターを使いはじめ、我々も徐々に3Dプリンターの扱いにも慣れ、適切に運用できる組織やシステムを構築することができるようになりました。しかし、より精度の高い作品造りを求める中で、ハイグレードな3Dプリンターの必要性を感じ、Nexa3DとUltiMakerS5(プロバンドル)を導入することにしました。

UltiMakerについては、事前にブルレーに相談したところ、UltiMakerS5(プロバンドル)をデモ機として一ヶ月間借りることができたのが、購入を決定するキッカケになりました。実際にUltiMakerS5(プロバンドル)を使ってみると、造形精度やメンテナンス性の高さだけでなく、屋内での運用に適したエアーマネージャーや、材料管理に優れたマテリアルステーションなどが備わっており、工房内での運用に適した製品であると確認できたため、購入を決定しました。

UltiMakerS5(プロバンドル)導入のキッカケについて語る、東京造形大学 工房運営課 王 亜京 氏

Nexa3DとUltiMaker 各3Dプリンターの使い分けについて

現在も使用されている廉価版3Dプリンターと、Nexa3DとUltiMakerS5の両機種は、どのように使い分けされていますか?

学生は先ず、廉価版3Dプリンターを使って試作レベルの作品をどんどん造りこみます。そして最終的な作品として完成させる際に、造形品質を重視して、Nexa3DやUltiMakerS5を使うようにしています。例えばこちらの作品「HENNGE」は、2次元のパズルに、奥行き、深さなどの3次元要素を取り入れて立体化したパズルですが、何度もデザインを練っては試作を繰り返し、試作の度に実際に手で触れて評価しています。最終的な作品はUltiMakerS5を使用してプリントしていますが、工房を離れる週末に複数モデルを同時配置して長時間プリントを実行するなど、長時間の連続プリントでも造形品質の安定したUltiMakerS5の性能を有効活用しながらデザインを練り上げています。

UltiMakerS5による作品事例
立体パズル作品「HENNGE」
作:デザイン学科 儘田 岳賢 氏

UltiMakerS5で造形する際、どのような材料を使われることが多いですか?また、使用する材料の選定はどのようにされていますか?

主に使用する材料は、タフPLAとサポート材です。この二つの材料があれば大概の物が造れますし、トラブルも殆ど発生しないため、利用頻度は高くなります。UltiMakerS5は、耐熱性材料や軟性材料など様々な材料にも対応しているため、どの材料を使用するかは、学生の造りたい作品の内容に応じて、事前に相談を受けた上で選定するようにしています。

Nexa3Dは光造形方式、UltiMakerS5はFFF方式と、それぞれ方式の異なる3Dプリンターですが、プリント方式の違いによる使い分けはされていますか?

精度や仕上がり具合など、学生が造る作品の内容によって使い分けています。光造形機は導入時のコストが高額な機械ですが、高いからといって全てが良い訳ではなく、具体的にどう使い分けすべきか、作品造りを通したカリキュラムの一環として、学生等と情報を共有しながら研究しています。1~3年生の場合、まだアッセンブリを必要とする複雑な形状を上手く造ることができず、塊のような物を造形することが多いので、UltiMakerS5を使う機会が多いですが、卒業間近の4年生になると3Dモデリングのレベルも向上し、精度の高い造形が必要になるため、細かな造り込みができるNexa3Dの利用頻度が増えます。

Nexa3D NXE400を使った高精度かつ高速3Dプリントのメリット

Nexa3Dは、高精度&高速が特徴の機種ですが、運用上感じられるメリットはありますか?

4年生と大学院生については、精度の高い作品造りが多くなるためNexa3Dの利用頻度も上がりますが、我々の大学レベルではNexa3Dのようなハイグレードな3Dプリントシステムを何台も導入することはできません。だだし、Nexa3Dを運用するなかで、1台でも所有していれば大概のことが実現可能であると実感していますし、Nexa3Dはランニングコストも悪くないので、教育目的のツールとしても実用的な機種であると考えています。

また、Nexa3D導入前は、FFF方式の3DプリンターやCNCを使い、色々と工夫しながら造形する必要がありましたが、Nexa3Dを利用することで、これまで時間を要していた複雑な形状の作品が短期間で造れるようになりました。

例えばこのカメラのような作品は、従来であれば高額な費用を掛けて外注しなければ造れなかったレベルの物ですが、学校の経費で運用できるハイグレードな3Dプリンターを利用することで、学生がイメージした通りの高精度な作品が造れるようになったことは、大きなメリットですね。

Nexa3Dによる作品事例
ミラーレスデジタルカメラをリデザインした作品「RE-DESIGN MIRRORLESS CAMERA」
作:デザイン学科 南崎 喬也 氏
筐体を構成する主なパーツは全てNexa3Dでプリント。外観パーツは約10時間、細部を構成するパーツ一式は約1時間でプリントされた。

デザイン分野における3Dプリンターを使った教育カリキュラムの変化

3Dプリンター導入後、教育カリキュラムの内容に変化はありますか?

変わってきていますね。今は、1年生から3Dデータの扱い方や3Dモデリングを学ぶための教育カリキュラムが用意されているため、徐々に3Dプリンターの利用頻度も上がってきています。また、これまでアナログでやってきた部分を圧縮し、デジタルへ移行するというのが必須になってきているので、いままで簡単に造れなかった複雑な物が、3Dプリンターを利用することで造れるようになり、学生等にとってはメリットが大きい分、学ばなければいけない事が増えたと言えます。

3Dプリンターを使った教育カリキュラムの変化ついて語る、東京造形大学 森田 敏昭 教授

それと、今はまだ外注して作品を造る学生もいますが、今後は学内で製作する機会がもっと増えてくると思います。

ラピッドプロトタイプだけでなく、3Dプリンターを利用したがものづくりがより身近になり、オートデスクFusion360のように学生が無料で使えるCADソフトウェアのレベルも上がってきていますし、アカデミックな教育環境における3Dプリンターの活用というのはとても意味のあることだと思っています。学生が将来的に就職するプロの現場では、SolidWorksのようなハイエンドなCADソフトウェアを扱うことが多くなると思いますが、Fusion360はSolidWorksとの互換性も高いので、学生が在学中に3Dの基礎を学ぶには、丁度良いCADソフトウェアと言えます。

現在は、3Dプリンターを中心とした環境の構築が進められていますが、今後の3D環境について、機器の増設など検討されてますか?

リバースエンジニアリングなど含め、作品造りの中で3Dスキャナーの活用範囲は広がると感じています。いま廉価版的なあまり精度の高くない3Dスキャナーしかないので、今後、精度の高いハイグレードな3Dスキャナーの導入を考えています。

今回取材した東京造形大学に限らず、昨今多くの教育現場で、3Dプリントを中心とした3D技術を活用した教育キャリキュラムへの取組みが注目されています。しかしいまのところ、3Dプリンター関連学習は、専門的なスキルを有する技術系学校、大学が中心となっており、全国的な普及に至っていないのが現状です。ブルレーでは、3Dプリント技術を活用した教育プログラム実現のため、教育機関に向けたサポートを拡充し、3D技術の普及と次世代の人材育成に貢献できればと節に願っております。

注釈:取材時は、撮影のためマスクを外しています。東京造形大学では、新型コロナウイルスに関連した感染症対策として、通学前の検温、マスク着用、手指消毒、3密回避のほか、健康管理を徹底しています。

取材日 2021年7月14日

取材場所 東京造形大学

取材対象者
東京造形大学 森田 敏昭 教授
東京造形大学 工房運営課 王 亜京 氏

取材対象機種
Nexa3D NXE400 1台
UltiMaker S5 Pro Bundle 1台

東京造形大学
1954年に桑澤洋子氏が「桑沢デザイン研究所」を設立、1957年に学校法人桑沢学園、1966年に東京造形大学を東京都八王子市に開学。
現在は、造形学部内にデザイン学科8専攻領域、美術学科2専攻領域を抱え、大学院を含めた在籍学生数、約2000名が学び、デザインおよび美術分野を中心に幅広い分野で活躍する卒業生を輩出し続けている(東京造形大学ウェブサイト

製品に関する問合せ先:03-6803-0563 / sales@brule.co.jp

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UltiMaker S5 Pro Bundle
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技術サポート(UltiMaker)

【技術サポート U102】マテリアルステーション、エアマネージャーのインストール方法_UltiMaker_S5

マテリアルステーションのインストール

マテリアルステーションをUltiMaker S5に取り付ける

  • 01マテリアルステーションの上にUltiMaker S5を慎重に置きます。
  • 02チューブカップリングコレットをUltiMaker S5の各フィーダー底部に挿入します。
  • 03マテリアルステーション左のボーデンチューブを左のフィーダーに、右のボーデンチューブを右のフィーダーに挿入します。
  • 04ボーデンチューブをクリップで固定します。
  • 05スプールホルダーキャップをUltiMaker S5のスプールホルダー穴に入れます。

エアマネージャーをUltiMaker S5に取り付ける

  • マウンティングブラケットをUltiMaker S5の背面に合わせます。
  • ボーデンチューブとプリントヘッドケーブルを両方のマウントブラケットのスロットに入れます。フィーダー2の上では、ボーデンチューブがプリントヘッドケーブルの前に置かれていることを確認してください。
  • マウンティングブラケットをカチッと音がするまでゆっくりと押し下げます。
  • フィルターハウジング底面をマウントブラケットのスロットに合わせ、所定位置に押し込みます。
  • フィルターをゆっくりとフィルターハウジングに完全に押し込みます。
  • プリンター前面から、カバーをフィルターハウジングの上に置きます。
  • ヒンジ部分をマウントブラケットに合わせ、カバーを所定位置に落とします。

コネクタの接続

  • エアマネージャーのケーブルをエアマネージャー背面にあるポートに接続します。
  • 取り付けブラケットに付いているストレスリリーフクリップをエアマネージャーケーブル周りに置き、閉じます。
  • ストレスリリーフクリップを、それ以上動かなくなるまで上にスライドさせて、ケーブルを所定位置に固定します。
  • エアマネージャーケーブルの反対側をマテリアルステーションのUMB OUTポートに接続します。
  • マテリアルステーションのケーブルをマテリアルステーションのUMB INポートに接続し、もう一方の端をUltiMaker S5のUMB OUTポートに接続します。
  • 電源延長ケーブルをUltimaker S5とマテリアルステーションに接続します。
  • 電源ケーブルをマテリアルステーションに接続し、もう一方の端を電源コンセントに接続します。
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適切なケーブル配線