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3Dプリント イベント エンジニアリング

UltiMaker×Brule 新商品発表会のご案内

UltiMaker 新商品発表会を4月23日(火)に開催 

取引先各位

拝啓 貴社におかれましてはますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。

平素はご愛顧を賜り、厚くお礼申し上げます。

今回発売する新製品は産業用品質の性能、材料、デザイン、そして安全面も含めて新しくなりました。

当日は、UltiMaker Japan 池田氏、Brule Inc. シニアセールスディレクター 黒崎より産業用3Dプリンタの新機種に関してご紹介をさせていただく予定です。

また実機展示および実演も予定しています。

ご多用とは存じますが、万障お繰り合わせの上、ご出席賜りますようお願い申し上げます。

 ■開催概要

日時 :4月23日(火) 14:00~16:00

会場 :東京都千代田区外神田4-14-1 秋葉原UDX南ウイング6F Room D

会場URL:https://udx.jp/

     会場詳細はこちら

 <登壇者>

UltiMaker Japan 池田径吽(ケイン)氏

Brule Inc. シニアセールスディレクター 黒崎

参加ご希望の方はこちらからご登録ください。

またはこちらのURLから参加可能です。

https://x.gd/vkRVB

お問い合せ先:Brule Inc. マーケティング部 尾崎

        marketing@brule.co.jp

以上

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3Dプリント イベント エンジニアリング

3D Printing Advanced Technology Centerに関して

Image


3D Printing Advanced Technology Center(3Dプリンティング・アドバンスド・テクノロジーセンター)を開設いたしました。

3D Printing Advanced Technology Centerは最新各種3Dプリンターのショールーム、受託造形サービスルーム、後処理・製品検査ルーム、プレゼンテーションルーム、

オフィスルームを完備しており、東京大学内外の学生・教職員、並びにものづくり企業各社に各施設の開放を行い3Dプリンター/AM技術を活用した

ものづくりを加速させていきます。

 ■3D Printing Advanced Technology Centerの主な機能に関して

・3Dプリンター/AM技術の最新技術動向の情報配信(セミナー、WEB、SNS等)
・3Dプリンター/AM技術を活用した最新ものづくりのコンサルテーション
・3Dプリンター/AM技術を活用した最新ものづくりの共同研究開発
・各種3Dプリンター/AM機器の貸し出し、トレーニング(スタンダード、アドバンス)
・各種3Dプリンター/AM機器を活用した造形サービス(Dfam、3D計測/検査等含む)
・各種3Dプリンター/AM機器のデモンストレーション

 ■場所:東京大学本郷キャンパス 工学部(新)5号館 4階 

 ■詳細についてのお問合せ先

• センター営業時間:平日9:00-17:00
• お問合せ:TEL 03-6803-0563 / E-mail: 3dpatc@brule.co.jp

※東京大学以外のお客様のご利用は予約制となりますので、必ずお問合せをお願いいたします。

 お問合せの際は3D Printing Advanced Technology Centerの○○○(例、造形サービス)の件とご連絡お願いいたします。

※機種によりサービスの開始時期は異なりますので、機種毎のご案内開始の際にご利用方法や金額等ご案内させていただきます。

 Nexa,ETECは稼働しておりますので、ご希望の方がいましたらご連絡ください。

 3Dプリンター/AM技術を活用した新たなものづくりの普及の為、
 是非とも当センターをご活用ください。

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3Dプリント イベント エンジニアリング

Brule×東京大学  3D Printing Advanced Technology Center開設のご案内

お取引先各位

Brule×東京大学 3D Printing Advanced Technology Center
開設セレモニーを4月21日(金)に開催 

拝啓 貴社におかれましてはますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。

平素はご愛顧を賜り、厚くお礼申し上げます。

この度、Brule Inc.は国立大学法人 東京大学大学院工学系研究科附属国際工学教育推進機構 ものづくり部門と共同で

3D Printing Advanced Technology Center(3Dプリンティング・アドバンスド・テクノロジーセンター)を開設いたします。

3D Printing Advanced Technology Centerは最新各種3Dプリンターのショールーム、受託造形サービスルーム、後処理・製品検査ルーム、プレゼンテーションルーム、

オフィスルームを完備しており、東京大学内外の学生・教職員、並びにものづくり企業各社に各施設の開放を行い3Dプリンター/AM技術を活用した

ものづくりを加速させていきます。

そこで、2023年4月21日(金)に東京大学本郷キャンパス 工学部(新)5号館 4階 カフェエリアでオフィス開設セレモニーを実施します。

 ■オフィス開設セレモニー 概要

 日時 :4月21日(金) 関係者様各位 13:00~14:00

 会場 :東京大学本郷キャンパス 工学部(新)5号館 4階 カフェエリア

 <登壇者>

 Brule Inc. Executive Vice President & Chief Revenue Officer 宇野 博

 東京大学 工学系研究科 国際工学教育推進機構 ものづくり部門 技術職員 矢口氏

 2 場所:東京大学本郷キャンパス 工学部(新)5号館 4階 カフェエリア

参加ご希望の方はこちらからご登録ください。

またはこちらのURLからでも可能です。

https://bit.ly/3Mygyye

(※参加申込を締め切りました(4月20日 12時00分))

お問い合せ先:Brule Inc. マーケティング部 尾崎

        marketing@brule.co.jp

以上

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3Dプリント イベント

Formlabs から「Fuse1+30W」および、新パウダー「ナイロン11 CF」が発表されました

Formlabs社から、SLS方式プリンターである「Fuse1+30W」および、新パウダー「ナイロン11 CF」が発表されました。Bruleウェブサイトの製品ページは追ってアップデートいたします。

Fuse 1+ 30W:史上最高の造形スピードと幅広い材料を活かし、僅か数時間という真の高速生産を内製で実現

内効率的にパウダー材を保管し、誰もが簡単に操作できることを前提に設計されたFuse 1+ 30Wは、30Wの強力なレーザーを備え、実製品用の部品や各種治具をその日のうちにプリントいただけます。Fuse 1+ 30Wにて新たに実装された粉末のハンドリングシステムにより、炭素繊維強化ナイロン等の新たな材料が利用可能となります。また、オプションの窒素充填プリントではかつてない性能と一貫性を発揮するSLS製品が製造いただけます。

  • Fuse1+ 30Wは、既存Formlabs全パウダー(ナイロン11, ナイロン11CF, ナイロン12, ナイロン12GF)に対応しております
  • 既存Fuse1の販売終了予定はございません。
  • Fuse1+ 30Wの窒素充填機能は必須のものではなくオプションとなります。

Fuse1+ 30Wの特長

  • 30W の強力なレーザーとガルバノメータシステムにより、Fuse 1 の最大2倍の高速プリントを実現
  • 粉体ハンドリングシステムの改良により、独自の新素材(ナイロン11CF)に対応
  • 窒素入力による不活性ガス環境下でのプリントにより、既存材料や新材料の機械的特性を向上

ナイロン11 CF パウダー:構造的、熱的安定性、繰り返し衝撃への耐性を備えた、硬質で軽量なパーツの製造に

ナイロンとカーボンファイバーの良さを1つに集めた高性能材料は、剛性と強度共に優れており、最終製品への活用に最適です。

ナイロン11 CF パウダーの代表的な用途

  • 金属部品の代替品・予備品
  • 金型、治具、冶具
  • 高負荷装置
  • 機能的な複合材のプロトタイプ

適用可能なプリンター

  • Fuse1+ 30W
  • Fuse Siftでのご使用には、「Sift 300 Sieve」が必要です。

製品に関する問合せ先:03-6803-0563 / sales@brule.co.jp

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3Dプリント イベント

Formlabs SLS 3Dプリンター Fuse 1 & Sift 共催ウェビナー

BruleとFormlabsは、2022年4月28日(木)にFormlabsのSLS方式3Dプリンター Fuse 1 & Sift を詳しくご紹介するウェビナーを開催いたします。

Formlabs SLS方式プリンタ『Fuse 1 & Sift』

Fuse 1 & Fuse Sift

ライブ配信(チャットでの質疑応答あり):2022年4月28日(木)14:00-15:00(予定)

本ウェビナーでは、ナイロン系素材を用いた粉末焼結により、強度・機能性・生産性向上を低コストに実現できる、Formlabs社のSLS方式3Dプリンタ『Fuse 1』、そしてパウダーの取扱と再利用を行う専用後処理機『Fuse Sift』をご紹介します。

SLS方式とは、粉末焼結積層造形方式とも呼ばれ、粉末状材料を数分の1mm単位で 堆積させ、レーザーなどで融合させる3Dプリント方式です。

Formlabs Fuse 1は、サポート材「不要」の3Dプリンターです。実際に活用されている事例をこちらよりご覧いただけます。

メーカーであるFormlabsによる最新情報、また、メーカーに直接質問できるチャンスです。大型連休前にぜひご参加ください!

ウェビナー概要

日付2022年4月28日(木)
時間14:00 – 15:00 JST
使用言語日本語
プラットフォームZoom(登録制)
料金無料

内容

  • Brule Inc と Formlabs Incについて

  • 3Dプリントの基礎とプリンタ導入時の選定基準

  • SLS方式3Dプリントのメリット

  • FormlabsのSLSシステム

  • 従来のSLS製品とFuse 1 & Siftの違い

  • FormlabsのSLS用の3Dプリント材料

  • SLSの用途

  • Fuse 1 & Siftのワークフロー

  • Q&A
  • Categories
    3Dプリント イベント

    Formlabs SLSクイックスタートキャンペーン

    2022年4月25日(月)から5月24日(火)17時まで、Formlabs SLS方式プリンター Fuse 1 & Sift の新規購入を対象としたキャンペーンを開催いたします。

    この機会にFormlabs Fuse 1 & Sift を手に入れ、サポートの要らないSLS方式プリンターで生産効率大幅UPを体感してください! 配布期間は1か月のみですが、本年12月末までご使用できます。現時点で検討前の方も、とりあえずダウンロードしておいてください!

    SLSクイックスタートキャンペーン

    キャンペーン内容必要事項記載のチケットをお持ちの方が2022年12月末まで Fuse 1 & Sift を購入する場合、消耗品(お好きなパウダー6kg + 光学カセット)プレゼント
    キャンペーン期間(チケット配布期間)2022年4月25日(月) ~ 5月24日(火)17時まで
    キャンペーン対象者下記専用アドレスから Aperza TV上の Fuseデモ動画オンデマンド配信にて、本キャンペーンのプレミアムチケットを入手して購入手続きされた方
    チケット配布場所https://tv.aperza.com/event/32?lc=dpyQh8VfPyP
    キャンペーン適用時に必要となるもの必要事項記載したプレミアムチケット(オンデマンド配信の「投影資料」最終ページにチケットがあります)

    ※ キャンペーン専用アドレスより、アペルザTVサイトの3月29日開催 Formlabs社の「特許技術で表面凹凸ができない!?粉末焼結3Dプリンター最新動向」をの動画視聴ページをご覧ください。

    キャンペーン期間中に限り、動画視聴ページ内からプレミアムチケットをダウンロードいただけます。

    ※ プレゼントのパウダー6kg は、3kg x 2本のセットとなります。

    ※ プレミアムチケットは、オンデマンド配信の「投影資料」最終ページにあります。

    ※ プレミアムチケットに必要事項を記載した上で、sales@brule.co.jpにお問い合わせください。チケットはフレキシブルPDF形式のため、直接の記入保存可能です。

    プレミアムチケットサンプル
    アペルザTV Formlabs 動画ページ

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    3Dプリント イベント

    Formlabs から Fuse1用新パウダー、ナイロン12 GFが発表されました

    Formlabs社から、SLS方式プリンターであるFuse1用の新パウダーが発表されました。

    ナイロン12 GF パウダー:高剛性と耐熱性が求められる高機能パーツ製作に最適

    内製化のハードルが過去に例を見ないほど下がり、これまで十分機能していたサプライチェーンに新たな課題が日々生まれる中、Fuse1を生産業務に適用することは、スマートな選択肢となります。新たなナイロン12 GF パウダーとSLS方式3Dプリンター Fuse 1により、生産業務におけるフローをより確実にコントロールいただけます。

    ナイロン12 GF パウダーは、高剛性と耐熱性が求められるパーツに最適な材料です。特に自動車、航空宇宙分野等における製品開発では、外注や原材料の供給状況に依存することなく、内製で工業用パーツの製作が行えます。

    ナイロン12 GF パウダーの代表的な用途

    • 機能確認用の試作品製作や機能部品の小ロット生産
    • 高い寸法・形状精度の長期的な維持が求められる製品
    • 恒常的な負荷に晒されるパーツ
    • 高温環境下においても寸法・形状精度の維持が求められるパーツ

    適用可能なプリンター

    製品に関する問合せ先:03-6803-0563 / sales@brule.co.jp

    ナイロン12 GF パウダー
    Categories
    3Dプリント ケーススタディ

    「射出成型機が全部3Dプリンターに置き換わる未来があるのではないかなと思っています。」甲子化学工業様 2 / 2

    本ケーススタディ記事は2部構成です。1/2はこちらからご覧ください。

    活用事例 2 『FA機器(プラスチック成形品の自動組立装置)の開発』

    casestudy-koshikagaku
    甲子化学工業株式会社 生産拠点にて, 自動組立装置, 企画開発部主任 南原徹也様

    概要

    自社開発したFA機器(プラスチック成形品の自動組立装置)では、Fuse1を活用して、主要部品を設計製作。3Dプリンターを活用することで、大幅な時間およびコスト削減を実現。

    プラスチック成形品の自動組立装置, 3DCAD上でのモデル
    プラスチック成型品の自動組立装置, 完成品実物
    プラスチック成型品の自動組立装置, スライサーソフト「PreForm」上での造形レイアウト1
    プラスチック成型品の自動組立装置, スライサーソフト「PreForm」上での造形レイアウト2

    切削加工のみと切削加工+3Dプリント(Formlabs Fuse1)での部品点数比較

    3Dプリンターを活用することで、従来の切削加工の際に必要としていた製造を意識した最適化設計の時間を省け、部品点数や組立時間も大幅に削減することができる。更に、加工図の作成や細かな加工指示も不要となるため、作業効率は格段に向上する。

    Fuse1で作られた、プラスチック成形品の自動組立装置のパーツ, KOUSHIの文字がプリントされている
    Fuse1で作られた、プラスチック成形品の自動組立装置のパーツ, ほぼプリントパーツとなっている
    Fuse1で作られた、プラスチック成形品の自動組立装置のパーツ, プリントが高精度でなれけば位置決めできない

    下表は、「切削加工のみの場合」「切削加工+3Dプリントした場合(3Dプリント部品数)」の部品数比較。

    3Dプリントで複数立体部品を一体化することで、部品点数が切削加工のみと比較して215個(51%)削減できていること、 3Dプリンターを活用した場合、加工品の約69%を置き換えできていることが分かる。

    活用事例2: 部品点数, プラスチック成形品の自動組立装置, 「切削加工のみ」と「切削加工+3Dプリント」 で比較, Formlabs Fuse1

    切削加工のみと切削加工+3Dプリント(Formlabs Fuse1)でのコスト比較

    下の比較表は、「切削加工のみで製作した場合」「切削加工+3Dプリントで製作した場合」の製作時間と製作費用の比較になります。切削加工は外注を想定。

    総製作時間について、切削加工のみの場合は117時間、切削加工+3Dプリントの場合は88時間となり、25%短縮されていることが分かる。また、総加工費については、切削加工のみの場合は151万円、切削加工+3Dプリントの場合は78.6万円と、約半額(73万円、48%)に削減されている。

    Fuse1で作られた、プラスチック成形品の自動組立装置のパーツ, 大型パーツもプリントされている
    Fuse1で作られた、プラスチック成形品の自動組立装置のパーツ, 同形状の大量生産はFuse1の十八番
    Fuse1で作られた、プラスチック成形品の自動組立装置のパーツ, 切削加工だと部品点数増やすしかない
    活用事例2: コスト比較, プラスチック成形品の自動組立装置,「切削加工のみ」と「切削加工+3Dプリント」で比較 , Formlabs Fuse1

    ※3Dプリンターの使用については、別途機器・設備費などを考慮する必要があるが、プラス12万円程度に抑えられる。

    ※3Dプリントの材料費は、次表「材料コスト」と同項目であるため青色にしている。

    3Dプリント(Formlabs Fuse1)での造形重量と材料コスト

    上記3Dプリント(造形)した場合の重量と材料費の内訳。

    活用事例2: 3Dプリントの造形重量と材料コスト, プラスチック成形品の自動組立装置 , Formlabs Fuse1

    UltiMaker S5」に次いで「Fuse1」を導入されたことで大きなメリットを得られたようですが、以前利用されたいた「Form 2」から「UltiMaker S5」にシフトしたキッカケは、やはり素材の問題やメンテナンス性が要因でしょうか?

    そうですね。現場に「Form 2」を置けない理由としては、やはり薬品や粉塵の問題ですね。光造形機は、ミラーの汚れなど粉塵が苦手だと思うんですね。それと、薬品が傷口から入りアレルギーを起こす原因にもなるため、そういった意味でも少し扱いにくいと感じていました。

    出来上がるものはすごくきれいですが、サポート構造が付く位置も考えて設計しなければなりませんし、その設計スキルも必要になるため、弊社の年配社員には恐らく使いこなせないなという点も、光造形機を現場に設置していない理由のひとつです。

    これまでに導入された3Dプリンターに関する情報は、どこから入手されましたか?

    全てネットで検索しています。ネット上にあるレビューや、YouTubeも見ています。海外の方がユーザーも多く事例も沢山あるので、海外のサイトを中心に見ています。

    Fuse1」で作られた部品から構成された生産システムに使われる部品にはロゴも入れてありますが、ここにも意図があるのでしょうか?

    そうなんです、ロゴは別に無くても良いです。ただ面白いのが、ロゴを配置したことで、材料使用量が減っているんです。従来の金属加工だと、肉抜きすればするほど加工時間が増え、コストも増えるのですが、3Dプリンターだと逆に材料コストがどんどん下がるんです。それにより造形時間が延長されるかというと全然変わらないので、全く真逆の考え方になります。ここは少し慣れも必要で難しいところではありますが、とても面白いですね。

    3Dプリントの造形サービスについて

    甲子化学工業株式会社 生産拠点にて, 空調設備の排気方向をずらしている
    甲子化学工業株式会社 生産拠点にて, へび皮をみると、ディティールが造形されていることが分かる

    御社では造形サービスも提供されているようですが、そちらのサービスではどちらの3Dプリンターを利用されていますか?

    造形サービスでは、基本的に「Fuse1」を使用しています。

    受注頻度はどのくらいですか?

    既存顧客に対してのみ対応しているので、件数は少ないですね。ゼロの時もありますが、多い時で月10件くらいですね。

    御社の造形サービスは、お取引実績のある顧客に限定して提供されている?

    そうですね、業界問わず幅広いお客様のご要望に応じています。例えば、お取引のある大学様では、学生さんの卒業制作の出力などにも対応しています。

    造形サービスを受けられる際、3Dデータは先方から提供される場合がほとんどですか?

    そうですね。基本的にサービスとして対応する場合は、3Dデータをご用意いただきます。弊社でも3Dデータのご用意も可能ですが、それは別のサービスとしてお受けしています。

    造形サービスは、価格設定が難しくありませんか?

    結局値段が勝負になってしまうと絶対に中国などには勝てないので、価格競争はしないつもりです。そういった面を含め、理解いただけるお客様だけお付き合いするようにしています。

    3Dプリントでの開発製品がグッドデザイン賞を受賞、その開発手法とは?

    甲子化学工業株式会社 生産拠点にて, アームスライダ―と共に, 企画開発部主任 南原徹也様

    グッドデザイン賞を受賞された「アームスライダー」、こちらの製品開発段階でも「UltiMaker S5」は使われていたのですか?

    はい、開発段階からフル活用していました。逆に言えば、「UltiMaker S5」がなければアームスライダーは作れていませんでした。

    当初、新聞などからもアームスライダーの件で取材を受けたのですが、その時に見せていた品物は全て「UltiMaker S5」で作った試作品です。それを後処理できれいにして塗装したものを利用していました。

    モックアップから成型用の治具に至るまで、一連の行程で「UltiMaker S5」を使われていたということは、まさに3Dプリンターありきのプロジェクトですね。

    そうです。弊社では、3Dプリンターがないと仕事が進まなくなってきているくらいです。

    活用事例 3 『アームスライダーの試作』

    概要

    2021グッドデザイン賞を受賞したアームスライダー(直接手を触れずにドアを開閉するできる製品)の試作にも3DプリンターUltiMaker S5を活用。本製品は、コロナ下により短期間での製品化が求められていた。本製品だけでなく、開発のためのドアノブもプリントすることにより、試作デザインサイクルを短時間で回すことに成功した。甲子化学工業では、本製品だけでなく、多くの製品開発にも活用されている。

    Ultimaker S5で試作中のようす, アームスライダー
    Ultimaker S5で試作中のようす, アームスライダー
    Ultimaker S5で試作中のようす, 完成したアームスライダー
    実際にドアに設置されたアームスライダー

    アームスライダー開発試作における、「型」「切削」「3Dプリント」の時間と材料費比較

    3Dプリントによる加工が、圧倒的に有利な結果となっている。切削加工はそもそも製作不可であり、型を使うと2週間以上、材料費のケタが変わる。

    活用事例3: アームスライダー開発試作のおけるコスト比較(製作時間、材料費) , Ultimaker S5

    仮にアームスライダーのようにやや大きな物を「Fuse1」で出力した場合、FFF方式と比べてコスト増になりそうですが、実際のところいかがですか?

    そうですね、多少コストアップには繋がりますが、外注に出すことを考えれば安く仕上がりますし、そこに費やすコストよりも、開発のサイクルをできるだけ短くし効率化を狙う方が、弊社としては優先度が高いと考えています。

    アームスライダーはコロナ対策として作っていたため、お客様からも1日でも早く欲しいといご要望があったので、とにかくスピードを優先していました。今までのように外注に製作委託した場合だと、1週間程度掛かるのが普通でしたが、3Dプリンターで内製すると1日で準備ができるため、そこのリードタイム削減効果はとても大きいですね。

    アームスライダーは、ドアノブの太さに合わせ、いろいろなサイズを用意されているのですか?

    そうです。様々なサイズに対応するため、開発段階で実寸のドアノブが必要でしたが、それぞれのドアノブを1個ずつ買うと、1個1万円くらい掛かり、トータルでは非常に高コストになるため、それぞれのドアノブのデータをダウンロードして、3Dプリンターで実寸のドアノブを作り、製品の開発を行いました。

    実寸のドアノブと、取付部品の試作にも3Dプリンターを活用されたのですね。

    そうですね。両方を3Dプリンターで作れたことで、すごいコスト削減になりました。

    甲子化学工業株式会社 生産拠点にて, 生産設備に適用されているアームスライダ―
    甲子化学工業株式会社 生産拠点にて, 量産されるアームスライダ―

    使用しているマテリアル(材料素材)

    3Dプリンター用のマテリアルについてお伺いしたいのですが。UltiMakerでは、純正の「タフPLA」をメインに使用されているようですが、他のマテリアルも試されてますか?

    いろいろ試してみて、一番扱いやすいのが「タフPLA」でした。タフPLAは反りにくくて寸法も安定しています。さらに強度もあるので、トラブルも少なくて済んでいます。

    熱変化がある場所で使用しても変形などありませんか?g

    弊社の利用環境では、40度くらいでしたら問題なく使えています。開発費も含めると、トータルで大幅なコスト削減に繋がっています。

    UltiMakerには他にも色々なフィラメントがありますが、他のフィラメントを使われることはありますか?

    過去には、ガラス繊維入りナイロンなども試しました。これはお客様からのご依頼で、土を掘削する機械の前面に取り付けるセンサー用部品を作りました。治具用途では使ったことはないですね。

    つまり、タフPLAで十分に賄えてしまうということですね。

    そうです。

    UltiMaker S5でプリントされたナット用パーツフィーダー(治具)
    UltiMaker S5でプリントされたナット用パーツフィーダー, ナットが1つずつ滑り台を滑る
    UltiMaker S5でプリントされた吸着治具
    UltiMaker S5でプリントされた吸着治具, エア接続されている

    Fuse1」にはナイロン11ナイロン12の2種類がありますが、現在は主にナイロン12を使われているようですね。そちらのマテリアルを選択された理由について教えてください。

    ナイロン11は、自由度が高くて良いのですが、材料価格が高いのネックです。ナイロン12は、それほど自由度は高くないのですが、強度もしっかりあり値段も少し安いので、弊社では基本的にナイロン12を使用しています。できれば、11と12を頻繁に使い分けたいのですが、現在のシステムではそれが難しいので、ずっと12を使っています。

    粉末系の機械は材料の交換が簡単にできないのが、唯一の不満点ですね。今の射出成型機は、材料の交換が簡単にできるようになっているので、それと同等に簡単に材料交換ができるようになれば、「Fuse1」のような3Dプリントシステムも普及すると思います。

    パウダー(粉末)の管理などで特に苦労されている点はありますか?

    それは全くないですね。唯一気にしていると言えば、湿度ですね。「Fuse1」を設置している専用の部屋は、湿度が最適になるようコントロールしています。

    生産拠点のFuse1設置ルーム, Formlabs Fuse1とSift1、バキュームが間に設置されている
    生産拠点のFuse1設置ルーム, ここには塗装ブースも設置されている

    Fuse1」用として、今後リリースして欲しい材料などありますか?

    ありますね。エラストマー系を使いたいのと、原理的に無理かもしれないのですが、PP(ポリプロピレン)などの汎用樹脂も使えるようになると、実製品に近いものが開発できるようになると思います。もちろん現行のナイロンも良い素材ですが、ナイロンでなくても良いものも沢山あるので、もう少し汎用性の高い材料が使えれば、もっと安く作ることができるようになります。

    生産現場での評価と今後の展開

    甲子化学工業株式会社 生産拠点にて, 企画開発部主任 南原徹也様

    3Dプリンターを利用する中で、現場の評価や満足度についてはいかがですか?

    UltiMaker S5」は、かなり満足度が高いですね。メンテナンスもほとんど要りませんし、3Dデータを作れば形になるという使い方が現場でもイメージできているので、重宝されてます。また、光造形機のように薬品類を心配する必要もないので、手軽さや健康面からも評価されています。

    Fuse1」の方は、オペレーションや後処理に少し時間が掛かるので、用途に応じて使い分けている状況ですが、何れも満足度は高いですね。

    実際に3Dプリンターを利用されている方は、何名ほどいらっしゃいますか?

    現在、製造部門には4名所属していますが、そのうち3名が使っています。現場ではみんな自由に使いこなしています。

    どちらの機種も、ほぼ毎日動いているような状態ですね?

    そうですね。現場では「UltiMaker S5」の使用頻度が高いですが、両方とも結構な割合で動いています。

    Fuse1」の設置環境についてですが、今後「Fuse1」を増設されることがあった場合、現在と同じように専用部屋を設けて設置されますか?

    今後「Fuse1」増設した場合も、個別の部屋に設置したいと思っています。材料が混ざってしまうのも避けたいですし、工場からでる粉塵なども混ざるのが嫌なので、専用の部屋が必要だと考えています。

    弊社が「Fuse1」を設置する部屋にはパソコンもあり、塗装ブースも併設されていますが、他社のSLS方式3Dプリンターの場合、同じ空間にパソコンや塗装ブースを置く事はできません。これができるのも「Fuse Sift」を含めたシステムのおかげだと思います。

    今後、3Dプリンターを増設される計画はありますか?

    私自身3Dプリンターが好きなので、射出成型機が全部3Dプリンターに置き換わる未来があるのではないかなと思っています。最近では、メーカーも大量生産をほとんどせず、少量多品種が主流になってきました。今後もその傾向は強くなると思うので、例えば「Fuse1」を5台、10台並べ、3Dプリンターで作る時代が来ると考えています。そんな時には、色々と買い足して、システムを構築したいなと思います。

    注釈:取材時は、撮影のためマスクを外しています。甲子化学工業株式会社では、新型コロナウイルスに関連した感染症対策として、検温、マスク着用、手指消毒、3密回避のほか、健康管理を徹底しています。

    甲子化学工業株式会社
    年間1,000種類、1,400万個以上のプラスチック部品・製品製造の実績、誰もが1度は触れたことのあるプラスチック製品を作る大阪市のメーカー。(甲子化学工業株式会社ウェブサイト
    取材日 2021年12月10日

    取材場所 東大阪市の甲子化学工業株式会社生産拠点

    取材対象者
    甲子化学工業株式会社 企画開発部主任, 南原 徹也様

    取材対象機種
    UltiMaker S5 1台
    Formlabs Fuse1 1台

    製品に関する問合せ先:03-6803-0563 / sales@brule.co.jp

    UltiMaker S5
    Formlabs Fuse1
    Categories
    3Dプリント ケーススタディ

    「射出成型機が全部3Dプリンターに置き換わる未来があるのではないかなと思っています。」甲子化学工業様 1 / 2

    従来の大量生産から、よりカスタマイズされた少量多品種へと変化してきた製造分野では、「ゲームチェンジャー」として3Dプリンティング技術が注目されています。しかし、3Dプリンティングを用いた実用部品製造の多くは、自動車、ガス/オイル、航空宇宙産業などに集中しており、より身近な現場での実態を目にする機会も少なく、製造業における3Dプリンターの有効的な活用方法について理解が進んでいない点が否めません。


    多くの業界に対する幅広い展望と、多くの組織や企業に関する深い知識を備えたBruleでは、製造業におけるケーススタディとして、今回、大阪府大阪市に拠点を置く甲子化学工業株式会社様を取材。製造現場における優れた3Dプリンターの活用内容をご紹介いたします。

    3Dプリンターを使用している事業と3Dプリンターの導入経緯

    御社の事業内容についてご説明いただけますか?

    甲子化学工業株式会社は、プラスチック部品や製品を作る会社で、お客様からのご依頼を受け、それを形にする会社です。皆さんがオフィスで使われているオフィス家具の袖机の取手など、様々なプラスチック製品を数多く作っています。その他にも、飲料器具の部品であったり、コンビニに設置される筐体部品であったり、おそらくほとんどの方が弊社の工場で作ったものを、一度は触ったことがあると思います。皆さんにとっても身近なものを作っています。

    甲子化学工業株式会社 生産拠点にて, 企画開発部主任 南原徹也様

    身近なプラスチック製品を製造するメーカー様との取引件数も多いということは、工場の稼働率も高いのですね。

    そうですね。商社が入る場合が多いため取引は間接的になりますが、扱う製品数も非常に多いため、工場内の生産機器はフル稼働している状態が続いています。

    3Dプリンターは、熱溶解フィラメント方式(FFF/FDM方式)の「UltiMaker S5」と、粉末焼結積層造形方式(SLS方式)の「Fuse1」の2種類を導入されていますが、それぞれの機械を導入されたきっかけや経緯をについて伺えますか?

    初めのきっかけは、シンプルに「面白そう」からです。私自身モノづくりが好きなので、新しいモノの作り方である3Dプリンターを使ってみたいという思いがあり、最初にFormlabsの「Form 2」(現行機種は「Form 3+」)を導入しました。

    「From 2」は光造形方式の3Dプリンターなので、生産治具を作りたいと思っても、紫外線で徐々に劣化するなど強度面で心配がありました。そのような悩みを抱えていた時期に、FFF方式の方が良いのではないかと考え、ノーメンテナンスで使えそうな機種である「UltiMaker S5」を2年前に導入しました。

    甲子化学工業株式会社 生産拠点にて, Ultimaker S5と共に工作エリアにて, 企画開発部主任 南原徹也様

    UltiMaker S5」導入後、さらに「Fuse1」を導入されたのはなぜですか?

    初めはやはり「使ってみたい」というシンプルな発想から始まったのですが、欲しいだけでは買えない製品なので、いろいろな利用を考えていました。SLS方式はサポート材が必要ないし、表面もきれいで造形の品質が良い。プリント材料であるナイロンは、長期間使っても材料的に安定しているということもあり、最終用途製品にも使えると思って購入を決めました。

    パウダー(粉末)を使うSLS方式の3Dプリンターは、様々なメーカーのものがあります。何故「Fuse1」を選ばれたのでしょうか?

    それは、後処理システム「Fuse Sift」の存在ですね。実際に他社製品も見学し検討してみましが、あまり現実的ではないと思ったんです。他社の3Dプリントシステムでは、プリント後の後処理工程で粉末の管理がとても大変で、移動やふるいに掛けている際もずっと粉が舞うので、整備された専用の空間が必要になってきます。しかし「Fuse1」では、3Dプリントから後処理までの一連のプロセスが効率化されていて、凄く使いやすいため、自分が作業ミスさえしなければ粉が舞い散ってしまうようなこともありません。

    甲子化学工業株式会社 生産拠点にて, Formlabs Fuse1 Sift1と共に, 企画開発部主任 南原徹也様

    3Dプリンターの使い分け(FFF / FDM方式SLS方式)と使い勝手

    御社では、2種類の3Dプリンターの特性を上手に活かし利用されてますが、実際に使ってみての印象はいかがですか?

    2種類の3Dプリンタ―を導入するまでは光造形方式しか知らなかったため、それとの比較になってしまいますが。「UltiMaker S5」を使いはじめてみて、こんなにも楽なのか?!と感じました。3Dデータを作って3Dプリンターに送るだけで、欲しいものが出来上がっている。そのイメージで使えるので、すごく驚きました。弊社では、ここ2、3年で1回しかメンテナンスしていないんですが、それでも安定して、失敗もほとんど無く可動している「UltiMaker S5」は、本当に良い機種です。

    Fuse1」は、使いはじめてまだ日が浅いので、メンテナンス自体も全くしていません。導入前に一番心配していたのは後処理なんですが、「Fuse1」はそこが完全にシステム化されていて、後処理専用のシステム(Fuse Sift)もあり、粉末材料が極力流出しないような設計になっているため、心配していたほど粉末に対する対策は要りませんでした。当初考えていたよりも手間が掛からないので安心して使えています。

    UltiMaker S5」 はFFF方式、「Fuse1」 はSLS方式と、それぞれ異なる造形方式の機械ですが、実際に現場で使われる際、それぞれの造形方式で使い分けはされていますか?

    そうですね、基本的にはFFF方式である「UltiMaker S5」で対応できるものが大半です。ただし、サポート材を付けないと造形が上手くいかないようなものがある場合、例えば、エア配管のように、内部に細かい空気の通り道が必要な場合など、難易度の高いサポート材の設置が必要なものは、SLS方式である「Fuse1」を使うようにしています。

    FFF方式の「UltiMaker S5」の方は材料も安いものが揃っているので、コストの面からも、極力「UltiMaker S5」を使うようにしています。

    ただし、お客様に提供するものなど、見栄を重視したものについては、ほぼ「Fuse1」一択になってきました。以前は、「Ultimaker S5」で出力したものを磨いていため、積層痕を消すのがかなり大変だったんですが、「Fuse1」で出力した物はそれが必要なくなったので助かっています。

    3Dプリンター用モデル設計と生産現場でのモデリングへの取り組み

    現場で使用されている細かな配管を必要とする治具などの部品にも、「UltiMaker S5」で作られたものが有りますが、配管内にサポート構造が付かないようにするなど、設計上工夫されている部分はありますか?

    始めは色々と試していましたが、結局普通の丸(空気の通り道となる円筒状の部分)で設計しても問題ないと分かり、今では何も考えずに丸のままで設計し、出力しています。

    「Cura」の設定を大きく変更しなくても、デフォルト設定のままでも十分に必要な物が出力できるのが、「UltiMaker S5」の良いところですね。

    甲子化学工業株式会社 生産拠点にて, UltiMaker S5設置の工作エリア
    甲子化学工業株式会社 生産拠点にて, 工作エリアに設置されたUltiMaker S5
    甲子化学工業株式会社 生産拠点にて, UltiMaker S5でプリント中の生産治具

    トライ&エラーを重ね、デフォルト設定でも十分にいけるだろうと判断されたということですね。

    そうです。弊社では「Cura」の設定はほぼデフォルト設定のままです。「Cura」には沢山の設定項目がありますが、弊社ではほぼデフォルト設定で利用しています。急ぎの案件などに対応する際は、結構シビアに設定を操作しますが、それを社内で共有するのは結構大変です。

    ただ、半年前くらいのアップデートで、自分で操作する必要がさらになくなりましたし、カスタム設定しなくても十分な品質のものが出力できるので、現場ではデフォルト設定から選んで3Dプリントしています。

    それだけ設計技術が高いということでしょうか?

    いいえ、そんなことはないんです。今では、私よりも現場の年配社員の方がよく使っています。現場の年配社員たちも、ここ1、2年で3DCADを覚えたばかりです。私にCADの操作を聞かれてもあまり丁寧に教えられないので、「YouTube見て勉強して」と言って、みんなYouTubeで3DCADの操作方法を学んでいます。YouTubeで動画公開している方達は教え方も上手なので、現場の技術者たちもどんどん吸収し、設計しています。

    そこで得た知識を活かし、必要なものを設計して3Dデータさえ送れれば、必要なモノができる。こんな風に特別な設計スキルが無くても作れるのが3Dプリンターの大きなメリットだと思います。

    アルミ製のエア吹き出し治具(3Dプリント置換前)
    UltiMakerで3Dプリントされたエア吹き出し治具(置換後)
    エア吹き出し治具, エアプラグが多数接続されている
    エア吹き出し治具, 内部は複雑なエア流路が形成されている

    現場技術者の方々が使われている3DCADは、どんなソフトウェアですか?

    みんな、AutodeskのFusion 360を使っています。Fusion 360は、安くて機能的にも優れているので、Fusion 360で設計したものをSTLで書き出してプリントしています。

    SLS方式はFFF方式と違ってサポート材が要らないですが、設計自由度は向上されましたか?

    向上していますね。逆に向上し過ぎてしまい、設計能力が追いついていないところがあります。我々は、従来の量産設計等に慣れてしまっているため、金型で作れるような形状で設計しがちですが、3Dプリンターだとそれをする必要がありません。自由度が高い分、本当はもっとできるはずなので、今後も研究が必要だと感じています。

    FFF方式のUltiMakerの場合は、やはりサポートのことを考えないといけないので、その制約を考えながら設計していますが、「Fuse1」はそれをしなくて良いので、これからもっと面白い設計にも挑戦できるので、私自身も楽しみにしています。

    Formlabs Fuse1で3Dプリントされた細いエア配管(閉じた状態)
    Formlabs Fuse1で3Dプリントされた細いエア配管(開いた状態)
    小さく細いパーツの内部にエア流路が作られている
    切削加工などの3Dプリント以外の方法では一体製作できない

    生産現場へ3Dプリンターを導入したことのメリット(実際の活用効果)

    2種類の3Dプリンターを導入したことで、御社にとってどんなメリットがありましたか?

    生産現場のオペレーションに関して言うと、改善のサイクルが非常に早くなりました。弊社では、自動化することが大きな命題になっており、それを達成するために日々いろいろなことを考えています。ただ、それを実現しようと思うと、新しい治具が必要になってきます。

    ではその治具を、どのようにして作ろうかという時、今までは外注なども利用して金属加工をしていましたが、それには多くの時間が必要になります。金属加工による治具製作は、数十時間掛かるのも珍しくないため、時間が掛かるという理由から後回しになり、思うように進まないことが多かったのですが、社内に3Dプリンターがあると短時間で必要なパーツが完成するので、治具製作のスピードが格段に向上しました。

    開発時間の短縮は大きなメリットですが、コスト削減の面ではどうですか?

    コスト削減効果も非常に大きいですね。例えば、自社で金属加工する場合、ボール盤で穴をあけたり、金属棒を切断したり、そういった工程に多くの時間が必要になります。また、加工時に発生する金属粉の掃除など、余計な手間が掛かり大変です。しかし、3Dプリンターを使うとその時間が殆ど必要ないため、一連のプロセスに費やすコスト、人件費なども考えると、ものすごい差がでてきます。

    現在、コスト面などで不満な点はありますか?

    コスト面ではそれほど不満はありません。「Fuse1」においては、弊社独自に色々と実験をしています。リフレッシュレートで新品を30%混ぜるという決まりがメーカー側からあるのですが、それを無視してリフレッシュ0で試してみましたが、意外に大丈夫でした。強度を必要としない部品を作る際は、そうやって使いまわした材料でコストを抑えています。逆に、強度が必要な部品を作る際はきちんとリフレッシュを混ぜたりしているので、思っていたよりも材料コストは掛かっていません。

    活用事例 1 『生産用治具(射出成形機械用)』

    UltiMaker S5で製作された、内部にエア流路がある生産治具
    UltiMaker S5で製作された、内部にエア流路がある生産治具
    エア通って内圧かかっているが、プリントパーツからリークしない
    自動化に不可欠な生産治具となっている

    概要

    本治具は、「射出成形により成形した樹脂製品を特定形状に固定したまま冷却するための治具」で、特に寸法サイズが大きい。この他にも、もう少し小さなもの(この事例の1/4~1/2程度の大きさ)にも多数用いており、細かなものを入れると、年間で100件ほど製作している。

    3Dプリンターを導入する前は、改善案があっても、外注費用が高くて改良できなかったり、時間が無いため自社製造出来なかったりといった課題を抱えていたが、3Dプリンター導入後は大幅に改善され、治具製造もスムーズに進んでいる。

    プリントされた生産治具を外した状態
    複数パーツに分かれず、一体加工できるのが魅力

    アルミ切削での自社加工、外注加工と3Dプリント(UltiMaker S5)のコスト比較

    下表は、「アルミ切削で自社加工した場合」「アルミ切削で外注加工した場合」「UltiMaker S5 を使って3Dプリントした場合」の製作時間と製作費用の比較。

    総製作時間について、アルミ切削加工の場合は、自社13時間、外注8時間、3Dプリントした場合は6時間となり、いずれの切削加工よりも短縮されていることが分かる。また、総加工費については、自社12.5万円、外注18.4万円となるのに対して、3Dプリントした場合は7.4万円と、大幅に削減されている

    活用事例1: 生産治具を3パターンの方法で製作した場合のコスト比較(費用および、時間) , Ultimaker S5

    3Dプリンターを使って内製化することで、外注費を抑えることができているようですね。

    そうです。むしろ、今まで外注費が高くてできなかったことができるようになりました。

    社内に3Dプリンターがあることで、トライ&エラーもしやすくなったということですね。

    そうなんです。今までであれば、金型を作って確認するのに最低でも2~3カ月掛かっていましたが、3Dプリンターなら1日単位で提案ができるようになるので、本当に大きく変わりました。

    また、お客様からの要望に合わせ設計案を提案する際、私みたいに経験の少ない若い技術者は、年配の技術者に比べて設計力という点では弱い部分があるのですが、3Dプリンターを活用することで、その能力差を縮め、早いピッチで設計技術も鍛えることができるようになります。

    本ケーススタディ記事は2部構成です。2/2に続きます。

    注釈:取材時は、撮影のためマスクを外しています。甲子化学工業株式会社では、新型コロナウイルスに関連した感染症対策として、検温、マスク着用、手指消毒、3密回避のほか、健康管理を徹底しています。

    甲子化学工業株式会社
    年間1,000種類、1,400万個以上のプラスチック部品・製品製造の実績、誰もが1度は触れたことのあるプラスチック製品を作る大阪市のメーカー。(甲子化学工業株式会社ウェブサイト
    取材日 2021年12月10日

    取材場所 東大阪市の甲子化学工業株式会社生産拠点

    取材対象者
    甲子化学工業株式会社 企画開発部主任, 南原 徹也様

    取材対象機種
    UltiMaker S5 1台
    Formlabs Fuse1 1台

    製品に関する問合せ先:03-6803-0563 / sales@brule.co.jp

    UltiMaker S5
    Formlabs Fuse1