3Dプリントガイド
3Dプリントとは?
3Dプリントは、3Dのデータを3Dプリンターで想像を形に変えることです。
10万を超えるフリーデザインをインターネットからダウンロード、3Dモデリングソフトを利用して独自のデザインをモデリング、3Dスキャナーを使って現実世界の物をデータ化することで3Dのデータを得ることができます。
3Dプリンターは、これらのデータを実際に造形する装置です。
プロ向け3Dプリンター
近年、技術の特許切れ等の理由によって、それまで高価な産業用機械であった3Dプリンターが一般消費者でも手が届く程安価なものになり、市場には様々な方式のものが相次いで登場しています。
中でも代表格は FFF(Fused Filament Fabrication) 方式です。
これは高温のヘッドに細い紐上プラスチック(フィラメント) を送り込み、溶解後、押し出してベッド(ビルドプレート) に層を重ねることで造形を行うものです。
どんな物が造れるのか?
インターネット上には無料の3Dデータが日々刻々と増え続けています。それらの多くは3Dプリントされることを予め考慮してデザインされているので、ほしい物をすぐにプリントすることができます。また最近では企業や行政がデータを提供する事例も増えているので、3Dプリンターが活躍する場は益々増えていくことでしょう。
独自のデザインを産み出したいと思ったら、3D モデリングソフトを使いましょう。
あらゆる想像、アイディアを現実の世界で具体化することができます。
素材の種類は?
FFF 方式で最も広く使われるのは ABS と PLA です。ただし、熱可塑という性質を持つ素材であれば原理上使うことができるので、今後使える素材の幅は広がっていきます。
ABS
ABSは私達の生活の中でよく目にしている素材です。丈夫で安定した素材なので、食器やおもちゃ等によく使われます。一般的なプラスチック用塗料で塗装することも可能で、また柔らかい素材なので表面を削る、穴を空けるといった加工が容易であることが特徴です。ただし、PLAに比べ溶解時に匂いが少し発生することや熱収縮率が高いことによって造形が反る、積層が乖離することがあり、ABSを使用するためにはこれらの造形のエラーを緩和するための構造、装置、工夫が必要になります。
PLA
PLAは、トウモロコシのデンプンおよび他の再生可能な原料から作られているため、完全に生分解性であるとともに非毒性です。また ABS 樹脂よりも低い温度での印刷が可能なため、より安全にプリントすることができます。しかし熱感度が高いことが原因で熱にさらされる造形物(オブジェクト) に適していません。 PLA でプリントしたオブジェクトは、ABS 樹脂で印刷したオブジェクトに比べ硬度が高く割れやすく比較的脆いため、印刷後に再加工することが難しい素材です。PLA は、より環境に優しく無臭な寛容な素材ですが、ABSのような耐久性はありません。日常のプリントには PLAを使用し、再加工が必要なオブジェクトにはABSを推奨します。
ABS
PLA
溶融温度 220 度から 240 度
溶融温度 180 度から 210 度
加熱プラットホーム 必須
加熱プラットホーム 必要なし
造形物冷やす必要なし
プリント中造形物冷却 必須
カプトンテープによく付着
表面加工にとらわれず付着
積層からの剥離、収縮による反りが出やすい
角の曲がり印やオーバーハングが発生しやすい
柔軟性がある
割れやすい
プリント中の異臭
匂いなし
石油製品
とうもろこし加工物、自然に優しい
異素材への挑戦
現在ではまだ開発段階のフィラメントも多く市場に出回っております。まだ開発途中であるため、これらのフィラメントのタイプは、特定の3Dプリンターでは対応できない可能性があり、使用に関してはご自身の責任となります。例として以下の素材があてはまります。
- PVA 低い溶融温度を持ち、水溶性であるため、プリント後オブジェクトのサポート材部分だけを溶解させることが可能です。
- フレキシブル(熱可塑性エラストマー)は高い弾力性と耐摩耗性を有し、比較的柔らかいフレキシブルなオブジェクトに適しています。
- ポリカーボネート 非常に衝撃に強く温度耐性を持つ素材です。
ヒーティドプラットホーム(ベッド)
ヒーティドプラットホーム不要な場合
加熱されたプラットホームにより最初の層のプラットホームへの付着を高めます。第一層は重要な層であり、加熱されたベッドは、反り(材料が冷却する際に発生しやすい)を防ぎプリントの質の向上に役立ちます。加熱されたプラットホームは、 ABSには必須になりますがPLAプリント時に使用されても有益です。
加熱プラットホームは PLA印刷時に必要不可欠ではありません。PLAは冷却時に反りが出にくい傾向があるためです。
積層ピッチ(解像度)
プロシューマーの3Dプリンターでは、最高で20 ミクロン(0.02 ミリメートル)の層で印刷することができます。しかし細かな積層ピッチでのプリントする場合、プリンターのキャリブレーション経験と細い1層1層を積層するための長い印刷時間が必要です。
市場に出ているほとんどの FFFプリンターは日常的に100~200ミクロン付近で設定しより速くプリントするために利用されています。各プリンタのスペック表内の最小積層ピッチを表示していますが、一層が薄ければ薄いほど、積層ピッチが細かいという意味です。
プリント可能範囲(造形範囲)
すべてのプリンターの仕様内で造形範囲(ビルトボリューム)を確認できます。
印刷可能領域とはその 3D プリンタが印刷できる最大オブジェクトのサイズを意味します。
3D プリンタを購入する前に必ずチェックすべき重要なポイントです。積層ピッチの厚さと同様に、大きなオブジェクトをプリントする場合、小さな物よりも長いプリント時間を必要とし、プリンタのキャリブレーションにもある程度の経験が必要になることを留意してください。
デュアルノズル vs シングルノズル
デュアルノズルを使用すると、マルチカラーのオブジェクトをプリントできる機能が加わります。材料を特定のエクストルーダーに割り当てることにより、複数の材料で積層されたオブジェクトをプリントすることができます。弊社では、ノズルの数が最大 3 つまでの3Dプリンターを販売しています。
3D プリンティングの可能性
家庭では3Dプリンターを使い子供用おもちゃ、プレゼント、日常雑貨などプリントできるようになりました。企業ではラピッドプロトタイプの実現化により製造コストを大幅に削減できるようになり、研究者部門では 例として繊細な化石の完全なレプリカを3Dの技術を使ってプリントすることができます。臓器再生における救命のアプリケーション、テーラーメードな補綴、カスタマイズデザインで印刷された食料品など高度な可能性を3Dプリンターは模索し始めたばかりです。

















