素材の種類は?
FFF 方式で最も広く使われるのは ABS と PLA です。ただし、熱可塑という性質を持つ素材であれば原理上使うことができるので、今後使える素材の幅は広がっていきます。
ABS
ABS は私達の生活の中でよく目にしている素材です。丈夫で安定した素材なので、食器やおもちゃ等によく使われます。一般的なプラスチック用塗料で塗装することも可能で、また柔らかい素材なので表面を削る、穴を空けるといった加工が容易であることが特徴です。ただし、PLA に比べ溶解時に匂いが少し発生することや熱収縮率が高いことによって造形が反る、積層が乖離することがあり、ABS を使用するためにはこれらの造形のエラーを緩和するための構造、装置、工夫が必要になります。
PLA
PLA は、トウモロコシのデンプンおよび他の再生可能な原料から作られているため、完全に生分解性であるとともに非毒性です。また ABS 樹脂よりも低い温度での印刷が可能なため、より安全にプリントすることができます。しかし熱感度が高いことが原因で熱にさらされる造形物(オブジェクト) に適していません。 PLA でプリントしたオブジェクトは、ABS 樹脂で印刷したオブジェクトに比べ硬度が高く割れやすく比較的脆いため、印刷後に再加工することが難しい素材です。 PLA は、より環境に優しく無臭な寛容な素材ですが、ABSのような耐久性はありません。日常のプリントには PLA を使用し、再加工が必要なオブジェクトには ABS を推奨します。